広島・渡辺 1軍初合流!3日からのヤクルト戦で狙うプロ1号 「打ちたい。目標なので」期待の長距離砲、骨折経験もプラスに
広島の渡辺悠斗内野手(23)が30日、プロ入り後、初めて1軍に合流し、3日からのヤクルト戦(マツダ)でプロ初本塁打を放つと意気込んだ。1年目の今季は2軍で59試合に出場して打率・226、1本塁打、17打点。4月中旬に腰を疲労骨折し、約2カ月の離脱も経験した。この日はマツダスタジアムで調整。飛躍が期待される長距離砲が存在感を示す。
ようやくチャンスが巡ってきた。1軍に合流した渡辺は「(2軍で)やってきたことを出せるように。(本塁打を)一本打ちたい。そこは目標なので」と決意をみなぎらせた。
開幕は2軍。1軍舞台を見据えて汗を流していたところ、4月中旬に腰を疲労骨折した。これまでの野球人生で大きなケガをしたことのないタフな男が約2カ月間、離脱を経験。それでも「(ケガの)おかげと言うとアレですけど、ストレッチの方法とかを考えられるようになった」とプラスに捉え、再発防止に努めてきた。
技術面ではスイング軌道の修正にてこずった。これまでアッパー気味だったスイング軌道を春季キャンプで新井監督から修正するよう助言をもらった。無意識のうちに左脇が開いていた点を指摘され、「真っすぐ下半身で構えていきなさい」とアドバイスを受けた。
正しい軌道でバットを出すため、反復練習。「教えていただいたスイング軌道に直すため、けっこう苦戦しました」と体に染みついた長年の癖をそぎ落とす作業に時間はかかったが、ようやく完成形が見え始めた。
今季終盤、23日からの阪神3連戦(SGL)では1軍レベルを体感できる時間になった。24日は六回先頭で阪神不動のセットアッパー・石井と対戦し、152キロ直球に空振り三振。翌25日は中継ぎ左腕・桐敷の前に二ゴロに料理された。「やっぱり球の質も違うし、実際に打てなかった。そういう投手を打てないと1軍でも打てないと思うので」。阪神が誇る強力リリーフ陣の投球を目の当たりにしたことで、目標も明確になった。
同じ大卒でドラフト同期入団の佐々木は、コンスタントに快音を響かせながら1軍定着した。その姿に「(刺激に)なってますね」と発奮して努力を積み重ねてきた。
この日はマツダスタジアムでの全体練習に参加し、ノックやフリー打撃で調整。1軍での経験は来季以降、貴重な財産になる。「レベルの高い投手や打者がたくさんいると思う。タイミングの取り方や球筋など、いいところを全部吸収して。チャンスをもらえたからには、自分の持ち味を出していけるように頑張る」と鼻息を荒くした。期待の若武者が1年目の最終盤にアーチをかける。
◆渡辺悠斗(わたなべ・ゆうと)2002年7月7日生まれ。23歳。東京都出身。182センチ、103キロ。右投げ右打ち。内野手。福生三小で野球を始め、中学時代は福生シニアでプレー。堀越では1年秋からベンチ入り。富士大に進学後は1年秋からリーグ戦に出場。3年秋には捕手で、4年春には一塁手でベストナインを獲得。24年度のドラフト4位で広島に入団。背番号49。年俸800万円(推定)





