「球速が出なかった」広島・常広 “大人の投球”で好投6回無失点「焦らなくても勝負できる」 初犠打も決めた

 先発し、力投する常広(撮影・市尻達拡)
 3回、送りバントを決める常広(撮影・市尻達拡)
 6回、福永を二ゴロに打ち取り、拳を握る常広(撮影・市尻達拡)
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 「広島5-0中日」(13日、マツダスタジアム)

 グラブを軽くたたきながら、軽快な足取りでマウンドを降りた。本調子でなくとも工夫しながら試合をつくる。広島・常広羽也斗投手が“大人の投球”で6回4安打無失点の好投。「6回を投げられない試合が多かったので、とりあえずは投げ切れてよかったと思います」とクールにうなずいた。

 初回から自慢の剛速球は影を潜めた。直球の球速は常時140キロ台前半。「ちょっと球速が出なかったんですけど…。いつも通り投げたら打たれるので、いつもより低めを意識しました」と冷静に頭の中を切り替えた。

 三回まではテンポよく1安打投球。四回以降は走者を背負うも要所を締める。六回2死一、三塁のピンチを招くが、福永を二ゴロに仕留めた。1奪三振はプロ入り後、6登板目で最少も「そんなに焦らなくても勝負できると感じました」と手応えを口にした。

 打席でも進化した姿を見せた。三回無死一、三塁の場面で高橋宏の直球を投前に転がし、プロ初犠打を記録。前回6日・阪神戦(甲子園)では2打席連続でバントを決められず、悔しさをにじませていた右腕。「練習でもバント練習の方が長いぐらいしたので。決まってよかったです」と胸をなで下ろした。

 今季2勝目を手にし、チームは3連勝。逆転でのCS進出へ、一戦必勝で突き進んでいる。「しっかり初回から飛ばしてというのを続けていければ」と次回登板を見据えた常広。最終盤でローテに加わった若鯉が勢いを加速させる。

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