坂倉の会心弾も 村上3発にヤられた広島・新井監督「バックスクリーンに3発。脱帽かな」連勝5でストップ
「ヤクルト5-4広島」(30日、神宮球場)
広島は逆転負けで、連勝が5で止まった。ヤクルトの村上にバックスクリーンへの3発を浴び、新井貴浩監督(48)は、その圧倒的なパワーに脱帽した。九回に坂倉将吾捕手(27)が約2カ月ぶりの一発となる4号2ランで1点差に迫った。反撃は及ばなかったものの、意地を見せて次戦への流れはつくった。
敗戦後にもかかわらず、新井監督からはすがすがしさすら漂った。「バックスクリーンに3発だから。相手の4番に脱帽かな」。被弾した高橋、辻に教訓とすることを求めた。ただ、それ以上に村上のいる次元の高さを認めざるを得なかった。
先発・高橋は2-0の二回にバックスクリーンへ被弾すると、2-2の三回にも同じ場所に着弾する勝ち越し2ランを浴びた。さらに八回には5番手・辻が直球を捉えられて、三たびバックスクリーンへ特大アーチを食らった。
「バックスクリーンに3発は自分も初めて見た」とうなった新井監督。最終的に1点が勝負を分ける展開になったが、被弾した2投手を責めることはなく「相手の4番一人にやられたというか。これはもう相手の4番がすごいと言うしかない」と舌を巻くしかなかった。
だが、今月だけで村上に6発も許していることを考えると「すごい」とばかりは言っていられない。指揮官はケガから復帰した相手主砲について「(1軍に)上がってきてから、ずっと状態が良いからね。そこを抑えられるようにピッチャー陣には頑張ってもらいたい」と自軍への奮起を促すことも忘れなかった。
捕手としてマスク越しに3発を見届けた坂倉も「同じ打者に3本はやっちゃいけないことなので、しっかり反省したい。そこが負けた要因」と猛省した。3点を追う九回には7月1日・ヤクルト戦(マツダ)以来161打席ぶりの一発となる4号2ランを右翼席へ突き刺すも、「あの打席は良かった」と話すにとどめ、リード面での悔しさの方が先行した。
24日の中日戦から続いていた連勝は5でストップ。2位・巨人、3位・DeNAもともに敗れたため、3位タイからの順位変動はなかったが、振り向けば5位・中日が0・5差に迫っている。
シーズン終了まで残り25試合となったが、ヤクルトとの対戦はカード別で最も多い7試合も残されている。クライマックスシリーズ進出には村上への対策が急務。指揮官は「明日しっかり抑えられるように投手陣には頑張ってもらいたい」と背中を押した。まずは次戦、村上封じを果たして、8月を白星で終えてみせる。





