鯉の翔平二刀流じゃ!広島・森 プロ初適時打で自ら援護「浜風のおかげ」 投げては耐えて自己最多5勝
「阪神3-6広島」(31日、甲子園球場)
“鯉の翔平”が二刀流の活躍で連敗脱出に導いた。左打席から放たれた打球が左中間を真っ二つに破る。二塁に到達した広島・森翔平投手は、少し驚いたような表情で沸き立つベンチの祝福に応えた。聖地・甲子園で見せた投打にわたる躍動。自己最多を更新する5勝目を手にし「勝ったらなんでもいいです」と野球少年のように笑った。
欲しかった追加点を自らのバットでもたらした。1点リードの五回2死一、三塁。この回から登板したネルソンに対し、1ストライクからの2球目。高めの152キロを迷わず振り抜いた。打球が左中間を抜けると、一走・矢野も生還。プロ4年目で初適時打となる2点適時二塁打で、リードを3点に広げた。
甲子園名物のライト方向からレフト方向に吹き荒れる浜風。この日は一段と強烈だった。その影響からか、四回先頭・大山の打球を中堅・秋山が落球。その後、適時打を浴びるなど森も風の“被害者”になりつつあった。そんな中、自身が放った二塁打は浜風に乗ってぐんぐん伸びた。「浜風のおかげですね」と最後は運も味方につけ、勝利をたぐり寄せた。
本業の投球では苦しみながらも、5回3失点(自責2)でまとめた。四回までに3点を失うも、各イニングで複数失点はなし。「球数を使ってでも粘ろうと思っていた」と辛抱強い投球でリードは渡さなかった。
チームは後半戦初勝利。苦しんだ7月を何とか白星で終えた。「良いピッチングではなかったんですけど、チームとして勝てたのは大きい。この流れのままいきたい」。8月からの逆襲へ、諦めている選手は1人もいない。





