「阪神５－０広島」（３０日、甲子園球場）

　エースでも悪循環を止められなかった。広島・大瀬良大地が悔しさを押し殺すようにマウンドを降りる。打たれての降板ではないことが歯がゆい。５回０／３を４安打２失点で６敗目。「すごく悔しいです」と敗戦の責任を背負った。

　１点ビハインドの六回だった。先頭の中野に四球を与えた直後、体が異変に襲われた。次打者・森下への投球前に自らタイムを要求。トレーナーに付き添われながら、ベンチ裏へと下がった。

　一度、マウンドへ戻り、投球練習を行うも続投を断念。「右足と右手の指先をつってしまった。ボールを扱うのはどうしても難しい…」と降板理由を説明。緊急登板となったハーンに対し、「すごい迷惑をかけてしまった」と謝意を示した。

　二回には自身の走塁ミスで好機をつぶした。１死満塁で秋山の打球は遊撃正面へのライナーに。一走だった大瀬良は慌ててヘッドスライディングで帰塁するも間に合わず、無得点に終わった。先制の絶好機を逃し、「気持ちが先走ってしまった」と反省。連敗を止めたいという勝利への執念が、残酷な形で表れてしまった。

　失点は四回と六回の２点のみ。それでも「何としても抑えないといけないと思っていた」と終始、反省の言葉が口を突いた。大瀬良でも食い止められなかった連敗。長いトンネルを脱するため、３１日の一戦を全員で勝ちにいく。