広島・新井監督「もうちょっとというところ」 13度目完封負け、66年ぶり16戦連続3得点以下 八、九回の好機生かせず
「広島0-1DeNA」(15日、マツダスタジアム)
つらすぎる…。広島が完封負けで今季2度目の7連敗を喫した。歴史的貧打に歯止めはかからず、交流戦明けから16試合連続3得点以下の屈辱にまみれた。借金5は新井政権ワーストを更新。苦々しい数字ばかり並ぶ中、新井貴浩監督(48)は打線について、「もうちょっとというところ」と我慢の姿勢を際立たせた。
スタンドの鯉党は祈っていた。1点を追う九回。坂倉、大盛の安打などで2死二、三塁の好機を迎えた。一打サヨナラ勝利の大一番。のるかそるかの局面でモンテロはフルカウントから空振り三振に倒れた。ファンの願いは届かず。本拠地は悲鳴とため息が交差した後、悔しさを通り越した脱力感に包まれた。
「どうぞ」と言って、報道陣の前に立った新井監督は九回の攻撃に言及した。「あともうちょっとというところかな」。確かに好機は作れている。1点を先制された直後の八回も2死満塁の逆転機を迎えた。しかし、菊池が東の内角球に詰まって二飛に終わり、終盤の八、九回の得点機をいずれも逸してしまった。
相手先発・東には8回3安打無失点に封じられた。「やっぱりいいところに投げているよね」と指揮官。捉えたライナー性の打球が外野手の守備範囲内を突くアンラッキーなものも散見されたが、「(東に)コース負けしているかな。小園にしてもモンティーにしても。奨成の1打席目もそうかな。いい感じで振れてはいるんだけど、いいところに投げられているからコース負けしたかなという感じ」と相手の制球力に脱帽するしかなかった。
現状は苦しい。完封負けは今季13度目で、球団では1959年以来66年ぶりとなる16試合連続3得点以下になった。連敗も今季ワーストタイとなる7にまで伸び、3年目を迎えた新井政権でワーストとなる借金5。厳しい試合が続いていることについて、新井監督は「また、あした頑張ります、はい」と言葉少なだった。
ここまで打線をけん引してきたファビアンは17打席連続無安打で来日後最長の4戦連続快音なしとなった。朝山打撃コーチはファビアンについて、「落ちてきている。疲れがあるのかな。でもこれを乗り越えていくしかない。先発投手の床田も頑張っていて、なんとか勝たせてあげたかったけど…。申し訳なさでいっぱい」と力なく語った。
まさかの連敗劇で下にいる5位・中日とは0・5差になった。現状を打開するには攻撃陣が活気づくしか道は残されていない。それは選手たちが一番、分かっている。試合終了後には室内ブルペンからボールを打ち返す音が聞こえてきた。





