「広島１－６阪神」（８日、マツダスタジアム）

　黄色く染まった左翼パフォーマンスシートの大歓声を耳にしながら、広島・床田寛樹投手が大粒の汗を拭う。左のエースでも、連勝中の猛虎打線を止められなかった。今季最短の４回４安打３失点で降板し、６敗目。「やっぱり初回ですかね。初回でまた２点取られて厳しい状況になって、申し訳ないと思います」と敗戦の責任を背負った。

　出はなをくじかれた。初回１死二、三塁のピンチを招くと、佐藤輝に外角の変化球を中前へ運ばれ、２点の先制を許した。初回に失点するのは、前回１日・ヤクルト戦（マツダ）に続いて２試合連続。「初回しっかり頑張りたい」と意気込んでいただけに、悔やまれる立ち上がりとなった。

　２点ビハインドの四回にも、１死から大山に四球を与えると、続く前川に甘く入った変化球を左中間へはじき返され、３失点目。直後の攻撃で代打を送られ、今季最短でのＫＯとなった。申告敬遠を含めて、今季ワーストの４与四球。「ホームランでやられる試合が多かったので、四球でもいいかなと思って投げていた。その後をしっかり抑えられればよかった」と悔しさをにじませた。

　これで阪神戦は今季５試合で１勝４敗。新井監督は「丁寧に投げようとしているのは伝わる。また次、頑張ってもらいましょう」と背中を押した。ここまでチームトップの７勝を挙げている左腕。次回は安定感ある投球で、試合の流れを渡さない。