広島・ファビアン夏男襲名だ 常夏ドミニカ共和国生まれ「暑さでプレーに困ることはない」 前半戦100安打確実「毎日が勉強」

 広島のサンドロ・ファビアン外野手(27)が30日、“夏男襲名”へ自身の勢いを加速させると誓った。チームは7月の23試合中、17試合が屋外球場という過酷な日程だが、常夏の国・ドミニカ共和国生まれの新助っ人は暑さを笑顔で歓迎した。球団新外国人初となる前半戦での100安打達成も確実で、まずは好相性を誇る1日からのヤクルト3連戦(マツダ)で好調ぶりを見せつける。

 気温の上昇とシンクロするように、存在感が際立ってきた。ファビアンはここまで70試合の出場で打率・317、10本塁打、40打点。リーグ首位打者と同最多の89安打の2冠に立っている。

 中国地方は27日に梅雨明けが発表され、いよいよ夏が本格化。チームは7月23試合のうち17試合を屋外球場で戦う。タフな戦いが幕を開けるが「暑いところで生まれたから暑いのは好き。だから暑さで自分のプレーに困ることはない。まだ日本の暑さを感じられていないけど、大丈夫だと思うよ」と胸をたたき、“夏男襲名”に意気込んだ。

 ドミニカ共和国は熱帯気候。夏場に状態を保つ方法は心得ている。「夏はたくさんカロリーを取るようにしている。一番注意すること。今の体重(90キロ)を維持するためには、いろんな物を食べないといけない。肉も食べてスタミナを付けているよ」。細やかな自己管理を施し、グラウンドに立つ準備を整える。

 今月最初のカードはヤクルト戦。同戦は7試合で打率・367、3本塁打、8打点と球団別で最も好相性を誇る。「体の調子はいい状態にある。ヤクルトの投手も見たことある投手だから、自分の打撃ができるようにしたい」と気合を入れた。

 成績面も着実な上昇カーブを描く。月間打率は3、4月が・271。5月は・333で、6月は・348と、うなぎのぼりに移行している。現在も5試合連続複数安打中。29日・中日戦(バンテリン)では来日初の4番に座って四回に節目の10号ソロ、六回には追加点となる適時打を放ち、3年ぶりとなる同球場での勝ち越しに貢献した。

 前半戦での100安打到達は時間の問題。ファビアンが球宴前までに100安打を記録すれば、球団新外国人では初となる。

 ただ本人は、日本の野球に順応していると感じていない。むしろ「野球選手は毎日新しいことがあるし、毎日が勉強になる。まだ、たくさん日本の野球を勉強しないといけない」と、ますます探究心をかき立てている。

 3・5ゲーム差の首位・阪神追走へ重要な1カ月。「もっと結果を出すためにも同じ気持ち、同じルーティンで試合に入れるようにしたい」とファビアン。絶好調男が7月戦線を盛り上げる。

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