広島・新井監督 セのDH制導入に待った!岡田阪神前監督と同様「駆け引きも醍醐味」 代打などスペシャリスト「斜陽に」

 プロ野球の12球団監督会議が20日、都内のホテルで開催された。今年で就任3年目となる広島・新井貴浩監督(47)は会議内で議論されたセ・リーグのDH制導入に“待った”をかけた。投手も打席に立つことによる野球の駆け引きの面白さを力説。代打や代走など、その道で生きている選手の役割にも思いを巡らせた。

 確固たる思いがそこにはある。ここ数年、継続的に議論されてきているセ・リーグのDH制導入。今回も継続審議が決まり、明確な答えは出なかった中、新井監督は「いろんな戦略の幅があるのはピッチャーが打席に立つ方。そっちの方が見ている方も面白いのかな」と、監督就任後初めて言及し、消極的な姿勢を示した。

 指揮官となり、采配の難しさとともにDHのない野球の面白さを実感している。「(阪神の)岡田前監督も言っていたように、いろんな駆け引きも醍醐味(だいごみ)ですから」。投手交代のタイミングや代打、代走…。試合の一手先を見ながら、頭を回転させてカードを切っていく戦術的要素がセ・リーグの野球には詰まっている。

 阪神の岡田前監督は23年1月の監督会議でDH制について、「打順をシャッフルしたりね、ピッチャーが(打席に)回って来るとか来ないとか、そういう醍醐味がない」と話していた。新井監督も思いは同じ。かつて監督と選手の間柄だった知将の野球観を思い起こして、自身の意見に重ねた。

 世界的に見るとDH制度は定着している。メジャーではア・リーグに続き、22年からナ・リーグがDH制を新たに採用。台湾、韓国などの野球主要国のプロリーグでもDH制が導入されており、セ・リーグは特異な存在となっている。

 同制度には投手の打席でのケガを防ぎつつ、体力を温存でき、指名打者が打線に加わることで攻撃力が増すなどのメリットがある。一方で代打や代走の選手は出場機会が激減する。その点も踏まえて、新井監督は「いろんなポジションがあるけど、DH制にするとスペシャリスト的な立場の人たち、そういうのも斜陽になってくる」と思いを巡らせた。

 会議内ではパ・リーグ球団の監督から交流戦期間中に限って、セ・リーグ本拠地でもDH制を導入する案が提示されたという。さまざまな意見があるが、プロ野球を思う気持ちは全会一致。鯉の指揮官も積極的に議論に参加して、魅力あるセ・リーグを作り上げていく。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス