「中日２－１広島」（２７日、バンテリンドーム）

　重い扉をこじ開けたのは広島の主砲のバットだった。二塁に到達した末包昇大外野手に敵地の鯉党から大歓声が送られる。高橋宏から、今季２６イニング目にしてチーム初得点となる適時二塁打を放ち、先制点をもたらした。

　「いい投手なので簡単には打ち崩せなかったですけど、１番のチャンスで打てたのはよかった」

　両軍無得点で迎えた三回だ。先頭の森下が死球で出塁。秋山が右前打で続くも、野間、小園が倒れ２死一、二塁の場面で打席を迎えた。３球で追い込まれ「三振を取りにくるので変化球が増えるのかな」と配球を分析。カウント２－２から低めのフォークに食らいつき、三塁線を破った。「ある程度ゾーンにくるやつはしっかり振りにいきたいと思っていたのが、いい結果につながった」と汗を拭った。

　高橋宏とは今季４度目の対戦。前回対戦の７月５日はマダックス（１００球未満の完封勝利）を喫するなど、この日の敗戦で３敗目となったが、それでも「きょうは全員が束になって、いいアプローチができていた」と前向きに話した。

　チームはバンテリンで５連敗。中日戦はマツダでの試合も含めて８試合残っており、苦手意識は早めにふっしょくしておきたい。「もちろん相手の本拠地なので、苦手なところもある。でもそこは言い訳せずに勝っていきたい」。と末包。“鬼門”突破へ、ここぞの一打でチームを勝利に導いていく。