広島・九里が完封! 鯉通算1万試合お祝い星 九回「どうする?」に即答「行かせてください」

 完封勝利を飾り、新井監督とスラィリーに祝福される九里(撮影・園田高夫)
 スラィリーの前でポーズを決める九里(撮影・園田高夫)
 完封勝利を挙げ、坂倉と抱き合って喜ぶ九里(撮影・園田高夫)
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 「西武0-5広島」(13日、ベルーナドーム)

 これぞ鉄腕じゃ~!広島の九里亜蓮投手(32)が今季チーム、自己ともに最多の130球を投げ抜く熱投で2安打完封勝利をつかんだ。完封は昨年8月22日・DeNA戦(横浜)以来、自身6度目。球団の通算1万試合目を最高の形で飾った。チームは3カード連続で勝ち越しに成功し、阪神と並びリーグ一番乗りで30勝に到達した。

 当たり前かのように九回のマウンドには九里の姿があった。八回終了時で球数は124球。「八回が終わった時に監督さんに『どうする』と聞かれて『行かせてください』と言ったので、死ぬ気で抑えるつもりでマウンドに上がりました」。覚悟を決めて続投した九回は3人を6球で片付け、両手を上げて完封の瞬間を迎えた。

 華麗な変わり身を見せた。直球を多めに配球し、内角を果敢に攻めていった前回登板から一転、この日は120キロ台中盤のフォークやスライダーを多投。「坂倉がうまくリードしてくれて九回まで投げられた」と3戦ぶりにバッテリーを組んだ女房役をおだてた。

 初回は二塁手・矢野の失策などもあり、25球を費やした。「初回に球数を使ってしまったので、なんとか二回からはテンポよく投げようと思って投げてました」。以降は打たせて取る投球で相手に三塁すら踏ませなかった。

 開幕投手から7戦未勝利という不遇の時期を乗り越えて自身3連勝。「野手のみなさんが打って守ってくださっている。バックのみんなを信じて投げている結果が良い方向にいっている」とチームワークを強調する。

 7日・ロッテ戦(マツダ)では大瀬良がノーヒットノーランを達成した。同期入団で同い年である右腕の偉業に「やっぱすごいと思うし、刺激になる。切磋琢磨(せっさたくま)してやっていけたら」と九里。2人の関係性は大学時代から変わらない。入団から10年がたち、お互いに家庭を持っても食事に出かける仲だ。「本当に良い存在がいてくれて僕は良かった」とライバルでもある大瀬良に感謝する。

 新井監督は九里の投球について、「本当素晴らしい。言うことないです」と絶賛。「彼の性格だから『行かせてください』って言うの分かっていたけど、一応聞きに行った。『行かせてください』ということだったので、『分かった。その代わり、1点でも取られたらすぐに代えるからな』と言って、九回も行ってもらいました」と八回終了後のベンチでのやりとりも明かし、熱投をねぎらった。

 ヒーローインタビューではカープファンに向かって「力をもらいました!」と感謝した背番号11。開幕投手のプライドも胸に、ここからさらにギアを上げる。

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