競争激化!カープ開幕ローテ 6人目の男 新井監督「うれしい悩みよ」アドゥワ好投で先制アピール

 1回、マウンドを駆け降りるアドゥワ(撮影・市尻達拡)
 8回、帽子を飛ばしながら投げ込む野村(撮影・市尻達拡)
 8回、選手交代を告げる新井監督
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 「オープン戦、広島2-2中日」(9日、マツダスタジアム)

 広島の新井貴浩監督(47)が開幕ローテ“6人目の男”を巡る争い激化に「うれしい悩み」を打ち明けた。中日戦(マツダ)で先発したアドゥワ誠投手(25)が3回1/3を1安打無失点の好投。黒原、玉村、森と争う先発ローテ6枠目のバトルが最終局面に突入する中、先制アピールに成功した。今季初の1軍マウンドの野村祐輔投手(34)も3回2失点ながら指揮官は内容を評価した。

 降板後にベンチへ下がってきたアドゥワの背中を新井監督がポンッとたたいた。3回1/3を1安打無失点の結果に指揮官も大きくうなずく。「ほぼ全ての打者にストライク先行だった。先発としての適性はもちろん十分にある。フィールディングも上手だしカーブも多く練習して、いいところでカウント球にしていた。球種の幅も広がっている」と高く評価した。

 アドゥワは無駄なく攻めた。初回は全ての打者に初球ストライクで入り、安打を1本浴びるも上々の立ち上がり。二回以降は失策による走者を1人背負っただけで無安打に抑え、内角スライダーで宇佐見のバットを粉砕する場面もあった。「自分の持ち味は打たせて取るピッチング。どんどん積極的に振ってきたので、ゴロが多かったのは持ち味が出せたかなと思う」。球数も45球。涼しい顔でマウンドを降りた。

 開幕までは約3週間。ローテーション争いもヤマ場を迎えようとしている。すでに開幕投手を務める九里、森下、床田、ハッチは当確。右肘手術明けの大瀬良も順調な回復具合を見せており、ローテ入りが有力視される。残る1枠を左腕の森、玉村、黒原に加えてアドゥワが争う構図。この日のアドゥワの投球を受け、新井監督は「うれしい悩みよ。みんな頑張ってくれているからね。まだ決めかねている状況。まだ日にちはあるし、しっかり悩みたいと思う」とさらなる競争を促した。

 4番手ではキャンプで2軍調整だった野村も登板。3回3安打2失点ながら自責は1にとどめた。2016年は先発で16勝をマークするも昨季1勝止まりだった右腕。今後は再び2軍での調整となるが、「いつでも呼ばれていいような準備だったり、そういう姿を見せたい」と前を向いた。

 そんなベテランの姿に指揮官も「良いピッチングだった。(1日に)200球以上投げていた日もあって、ファームで調整をしっかりやってくれていた。(開幕ローテの)6人目は最後まで競争。ギリギリまで。全ての投手に全ての可能性がある」と強調。“6人目の男”の座に就くのは一体誰か-。激しさを増す争いは最後の最後まで目が離せそうにない。

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