広島・床田 初実戦でさすがの2回0封 新球チェンジアップに手応え「けっこう、メインで使えそう」

 「オープン戦、広島0-4中日」(8日、マツダスタジアム)

 広島・床田寛樹投手(29)が8日、中日戦(マツダ)に先発して上々の仕上がりを披露した。2回を無安打無失点にまとめ、今春初実戦でさすがの投球。新たに習得を目指すチェンジアップにも大きな手応えをつかんだ。シーズンでも先発陣の柱として期待される左腕。本番に向けて、さらに状態を上げていく。

 投げたイニング自体は短くても、それを上回る収穫があった。今春初の実戦登板。床田はマウンドを降りると、新井監督と言葉を交わした。話題は新球チェンジアップについて。「『けっこう、メインで使えそうです』というのは話しました」と、新たな武器に光を見いだした。

 初回は2つの三振を奪う滑り出し。二回は先頭の中田を左飛、続く細川にはカウント1-1から、そのチェンジアップで空振りを奪った。結果は遊ゴロ。後続も退け、文句なしの内容で登板を終えた。

 遅球での空振りに一定の手応えを得たが、「『改良の余地あり』という感じ」と、まだまだ伸びしろがあるという。この日の球速帯は130キロ台前半。理想はもう少し遅い球で「125、6キロぐらいが理想。力が入っているのかなと。もう少しスピードを落として、真っすぐのスピードを上げられればいい」と、より緩急を付けた投球を次戦以降のテーマに掲げた。

 昨季はチーム最多で自身にとってもキャリアハイの11勝をマークした。さらなる高みを目指す上で取り組むのが2つの変化球で、それがチェンジアップとスライダー。投球を支えるツーシームへの依存度を抑えていく必要性を昨シーズンに実感して、キャンプ中からチャレンジしてきた。

 チェンジアップについて、この日マスクをかぶった会沢は「ツーシームと違う落ちる系の球なので、使えると思います」と太鼓判。新井監督も「またこれでさらに(投球の)幅が広がるかな。本人もしっかり操れていると思うし」と“新スタイル”での活躍を思い描いた。

 スライダーも二回先頭・中田への初球に投げて空振り。横変化を意図して内角低めを狙った一球だったが、「けっこう縦に落ちたので、あれはあれでアリかなと思う。少しズレあったので、修正できれば」と分析した。2つの変化球をマスターできれば、昨年以上の白星量産に期待が膨らむ。

 直球の走りも良く、最速は146キロをマークした。「もう少し低めに集められれば、もう少し変化球も生きてくると思う」と床田。時間の許す限り自分を高め、足を止めることなく前進する。

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