「オープン戦、広島１－１０巨人」（２４日、コザしんきんスタジアム）

　課題を克服し、勢いに乗った巨人打線を見事に封じ込めた。五回から登板した広島・森浦大輔投手が３者連続三振を含む２回無安打無失点。「テンポ良く投げられて良かった」と汗を拭った。

　１イニング目は変化球を見せながら直球でアウトを積み上げた。萩尾、松原を打ち取り、オコエにはこの日最速タイの１４３キロで中飛。四回までに８得点を奪っていた相手の流れをしっかり止めた。そして圧巻だったのは続く六回だ。

　先頭の門脇から秋広、岸田を全てチェンジアップで３者連続の空振り三振。「決め球で使えて良かった。これからもっと（精度を）上げていきたい」と、さらなる向上を誓った。

　左投手ながら、かねて対左打者への被打率が対右打者より高いのが課題だった。５１試合に登板した２２年は対左打者は対戦打率・２９９（対右打者は同・２５３）。１３試合の登板にとどまった昨季も対左打者は同・２８６（対右打者は同・２７８）だった。「あまり左右関係なく、まずはストライクを取れるように投げた」と話したが、門脇、秋広と１軍クラスの左打者を抑えた点に成長を感じさせた。

　新井監督も「（対左打者に）手応えをつかんだと思う。本当にナイスピッチングだった」と称賛した。ブルペン陣は左腕が手薄。アピールを続ければ３年ぶりの開幕１軍も見えてくる。「オープン戦で結果を出したい」と森浦。逆襲へ、確かな一歩を刻んだ。