広島ドラ1常広「2軍でしっかり」 試験終え再合流も慌てず ブルペンは「体が動くようになってから」

 広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=が27日、大学卒業に必要な単位取得に関するテスト受験を終えて合同自主トレに再合流した。自身初のマツダスタジアムでの練習となった右腕は学業の影響での調整遅れから、すでにキャンプ2軍スタートが決定済み。思わぬ試練に直面したが、新井貴浩監督(46)からの言葉も胸に前へ進んでいく決意を固めた。

 一つ、肩の荷が下りたかのようだった。大学のテスト受験を終え、常広は5日ぶりに体を本格的に動かした。テストの出来について問われると、「まあ、大丈夫です」と力強く言った。やれることはやった。やっと野球に専念できる状況となった中、自身初めてのマツダスタジアムでの練習に「(スタンドの)階段ダッシュとかもやったりして、マツダスタジアムの空気は少し感じられました」とうなずいた。

 文武両道を貫く常広ならではの試練だった。1月7日に入寮して以降、17~19日にテスト受験のために1度目の上京。帰広後、再び22日の練習参加後から上京し、7科目のテストと“戦ってきた”。上京している間は青学大青山キャンパス近くのホテルに宿泊し、缶詰め状態で勉強にいそしんでいたという。大都会・渋谷という立地上、運動ができるスペースもなく、練習ができない状況が続いていた。

 ブルペン入りもいまだにできておらず、キャンプは大卒ドラ1では異例とも言える2軍スタートが決まっている。学業が調整の遅れに直結してしまった形ではあるが、右腕は「個人的にはテストで(調整不足だったから)2軍とかじゃなくて、実力的に2軍だと思って、1軍目指してまた練習していきたいという気持ちです」と言い訳は一切なかった。

 新井監督からはキャンプの振り分け決定後に電話で「じっくり、しっかりやろう」と声をかけられた。「その言葉に甘えずにというか、2軍でしっかりやっていきたいです」。焦りや悔しさをグッとこらえ、今はただ前だけを見据えている。

 この日の練習では勉強で凝り固まった体をほぐすように丁寧な腕の振りでキャッチボールを行った。「4日間空いて今日久しぶりにキャッチボールしてという感じなので、まだ(ブルペンには)入れないですね」と現在地を吐露。「できるだけ早く入りたいんですけど、とりあえずしっかり練習して体が動くようになってからだと思います」と自らに言い聞かせるように話した。

 即戦力投手として、いきなりの出遅れは痛いが、キャンプはまだ始まってすらいない。時間的猶予は十分に残されている中、万全の態勢を整えて競争の土俵に立つ。

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