広島・ドラ1常広「優勝する上での1ピースになれるように」6年ぶりVへ貢献誓った
期待のルーキーが鯉党に新年のごあいさつ-。広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=がデイリースポーツにプロ1年目の意気込みを語った。先発ローテ入りが期待される右腕は指定校推薦で青学大に進学し、自らプロ入りへの道を切り開いた。ここまでの歩みを振り返りつつ、チームの優勝を支えるピースになると誓った。
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-明けましておめでとうございます。いよいよプロ1年目のシーズンが始まる中、今の心境は。
「まだ何も始まっていないので、よく分かっていないというところで不安が大きいです」
-練習やスケジュールなど、流れが初めて。
「そうですし、練習がないと自分の今の状態とかも分からないので。そういうところで不安な気持ちは大きいです」
-1年目のテーマ。
「自分の“現在地”を知るというか。自分がどのくらいの立場にいるかが分からないと目標とかも決められないと思う。まずは自分の実力がどれくらいなのかを知れる1年にできたらいいなと思います」
-試合で投げることでしか、把握できない部分もある。
「そうですね。みんなと一緒に全体に入って練習したりとか。試合を重ねていく中でしか見つからない課題とかもある。それを見つけられるようにしたい」
-改めて自分の投球スタイルは。
「直球とフォークボールで三振を狙いにいく投球です」
-野球を始めたきっかけ。
「あんまり覚えてないんですけど、友達の影響だったと思います。始めたのは小学3年生ですね」
-当時のポジションは。
「最初は投手、内野、外野とか、いろいろやっていました」
-本格的に投手に転向したのは。
「本当に本格的に始めたのは中学3年生ぐらいですね。それまでもピッチャーをやったり他のポジションもやっていました」
-小学生の頃、他に習い事とかは。
「やっていたと思うけど即、やめたり。ほとんど続いてないですね(笑)。野球だけでした」
-指定校推薦で青学大に進学。野球部の練習会には、どんな経緯で参加した?
「東都(大学野球リーグ)か(東京)六大学で野球をしたいという思いがあった。ただ、やっぱり高校の実力的には行けなくて。(大分)舞鶴の指定校枠に青学大があり、練習会に行かないと入部できないことは知っていたので、連絡して練習会に行きました」
-練習会の形式は。
「自分一人でした」
-ピッチングを披露する?
「ピッチングとかノックに入ったり。見られるというよりは練習参加という感じ」
目標にされる選手に
-入部が決まった時の気持ち。
「喜びとかは特になかった。ホッとしたという方が大きかったです」
-将来的に、どんな投手になりたいか。
「目標とされる選手になるというのはうれしいこと。目標にされるようになりたい」
-1年目のシーズンへ、意気込みを。
「チームが優勝する上での1ピースになれるように。貢献して優勝したい思いが一番大きい。チームに貢献できるように頑張ります」
-大学4年間で成長を示し、プロ入り。昨年のドラフト前にカープが12球団最速で1位指名を公表した。
「ビックリしました。一番最初だったので、うれしかったです」
-同じ青学大のチームメートで阪神にドラフト1位で入団した下村は、どんな存在。
「やっぱりいい投手ですし、目標となる部分も多い。尊敬できる存在ですね」
-下村と初めて会った時の印象。
「ピッチングをした時に、めちゃくちゃすごいボールを投げていた。めちゃくちゃビックリした覚えはあります」
-彼の尊敬できる部分。
「制球力や、負けず嫌いなところ。ピッチャーに必要なものがそろっているところがすごい」
-大学のリーグ戦は2年春に初登板した。東洋大戦に八回から登板して2回無失点。
「初めての登板だったので、緊張した覚えがある。試合の流れも良かったので、その流れに乗れたという感じでした」
-大学野球でやっていけるという手応えを感じた試合は。
「3年春の中央大学戦で、初めてリーグ戦で5イニング以上を投げた。それだけ長いイニングを投げられたのが初めてだったので、その時にちょっとずつ『見えてきた』というか。その試合はけっこうターニングポイントでした」
-青学大では昨年、春と秋のリーグ戦で優勝。大学選手権も優勝した。強いチームであり続けるために必要なことは。
「大学生はやっぱり4年生がしっかりしていれば強いなと思いました。それぐらいですね。シンプルに、昨年はみんな実力があった。個の力がめちゃくちゃ強かったので。そういうところで、本当に強かったんだと思います」
-あまり負ける気はしなかった?
「そうですね。オープン戦とかもほとんど勝っていた」
-どんな試合でも勝ちにいくことが大切。
「負けても落ち込んだりはしない。反省になるので。でも常に勝ちは求めていました」
-カープの試合を生で観戦した経験は。
「1回もないです」
-プロ野球を観戦したことは。
「昨年、小学生の時以来、観戦に行きました。神宮球場のヤクルト-DeNA。神宮は観客席で見ることもほとんどなかったので、けっこう新鮮でした」
-子どもの頃、好きだった野球選手は。
「あまりいないですね…。ピッチャーのことは見ていたんですけど、試合はちゃんと見ていなかったです(苦笑)」
-地元・大分県の好きなところ。
「山や川が多いところ。山は東京にいると見ないので。大分に帰った時は『山、多いなぁ』って思います」
-大分の、美味(おい)しい食べ物。
「シイタケが美味しい。焼きシイタケ。あとは魚が美味しいと思います」
-自分の性格を言葉で表すと。
「めちゃくちゃ分かりやすいと思う。何でもすぐ、態度とかに出てしまう。マウンド上でも、ポーカーフェースとよく言われるんですが、よく見たら全然ポーカーフェースじゃなくて…(笑い)。けっこう怒ったりしちゃうので。分かりやすい性格をしていると思います」
-いよいよ始まるルーキーイヤー。今年の漢字を一文字掲げるなら。
「『勝』という字。勝たないとダメだと思うので『勝』で」
◇常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年9月18日生まれ、22歳。大分市出身。180センチ、73キロ。右投げ右打ち。投手。豊府小3年から豊府少年野球団で野球を始め、南大分中では大分シニアでプレー。大分舞鶴では1年夏からベンチ入り。青学大では2年春にリーグ戦デビュー。優勝した昨春の全日本大学選手権では最高殊勲選手賞と最優秀投手賞の2冠に輝いた。最速155キロ。50メートル走6秒2、遠投120メートル。




