広島・九里 2年ぶり中4日で奮闘も 最下位竜に痛恨の負け越し 逆転Vへ踏ん張りどころ、新井監督「一戦一戦」
「広島東洋カープ0-3中日ドラゴンズ」(3日、マツダスタジアム)
広島は今季12度目の完封負け。2年ぶりに中4日で先発した九里亜蓮投手(32)の5回1失点(自責0)の力投も、ビハインドの展開ながら投入したリリーフ陣の奮闘も実らず敗戦に終わった。最下位・中日を相手に6カードぶりの負け越し。勝負の9月、踏ん張りどころがやってきた。
鬼の形相で九里はマウンドに上がっていた。前回8月29日・巨人戦で116球を投げてから中4日。間隔など関係ない。逆転優勝のために、雄たけびを上げながら腕を振った。
初回は2死満塁のピンチを迎えるが宇佐見を空振り三振に斬り、吠えた。右打者の懐をえぐるシュート、左打者のタイミングをずらす変化球。持てる力をすべて出し切った。
一塁ベンチ付近にフライが上がれば猛然と捕りに走った。攻撃が終われば、誰よりも早くベンチを出てマウンドに向かった。
唯一の失点は三回、大島の一塁内野安打から1死二塁のピンチ。カリステを三ゴロに打ち取ったが、デビッドソンの悪送球は無情にも一塁スタンドに入りボールデッド。二走・大島は生還で先制点を与えた。
結局、九里は5回1失点で自責点は0。「柳くんもいい投手なんで、なんとか先に点を与えないようにと思ってやってましたけど。(失策?)いつも守ってくださっているので」と振り返った。
1点ビハインドにもかかわらず六回は大道、七回は矢崎、八回には島内と勝ちパターンを惜しげもなくつぎ込んだ。だが、島内は連打から1死二、三塁のピンチを迎えると、代打・後藤に右線二塁打を浴びて2点を失った。
執念のリレーも勝利には結びつかなかった。新井監督は熱投の九里について「中4日でいってくれて、粘って本当によく頑張ってくれました。ナイスピッチングでした」とねぎらった。追加点を許した島内も「ずっと頑張ってきてくれて肉体的にも精神的にも疲労はあると思う。変わらずまた来週から頑張ってもらいます」と責めることはなかった。
最下位・中日を相手にまさかの負け越し。シーズン終盤、奇跡の逆転優勝を目指す上では痛い敗戦となった。
週明けから3位・DeNA、首位の阪神と6連戦が待つ。指揮官は「自分たちは目の前の一戦一戦、勝っていくしかない。相手がどうとかはあまり思ってない」と言った。残り20試合、がむしゃらに戦い抜くだけだ。





