広島激闘ドロー 末包プロ2度目満塁弾!新井監督ら“スリーマン”指導に応えた 堂林執念同点打!ベンチ入り26人全員出場
「広島東洋カープ7-7東京ヤクルトスワローズ」(27日、マツダスタジアム)
死力を尽くした執念ドローだ。末包昇大外野手(27)が初回、同点に追い付き、なおも2死満塁で右中間スタンドへ5号グランドスラム。満塁弾は昨年5月8日・DeNA戦以来、自身2度目となった。チームは再び逆転されるも、1点を追う八回に堂林翔太内野手(32)が執念の同点適時打を放った。リリーフ陣が踏ん張り、延長十二回引き分け。新井鯉が最後まで諦めない姿勢を貫き通した。
夢を乗せた末包の放物線に、驚嘆の声が上がった。寄せられた期待は裏切らない。長距離砲にふさわしい右中間へ伸びた打球がフェンスを越えると、本拠地全体の興奮が最高潮に達した。首位・阪神の背中を追うシーズン終盤の戦いで、伸び盛りの若鯉がプロ入り2度目の満塁弾。派手な仕事を決めた。
2点を先制された直後の初回だ。同点に追い付き、なおも2死満塁の絶好機で打席が巡った。高橋の高め147キロを鋭く振り抜き、5号グランドスラム。自軍に6点目が入り、ベンチでは仲間から手荒い祝福を受けた。この日の先発は同期入団の黒原だっただけに「同期の黒原に、いい援護ができて良かった」と笑顔で振り返った。
20日・巨人戦以来の一発。満塁弾に限れば昨年5月8日・DeNA戦以来、プロ入り2度目となった。初回に2点を先制され、直後に2死走者なしから一挙6得点。各自が役割を果たして必死につないだ。今カード初戦も初回2死走者なしから3点を先制。劣勢ムードを振り払う、連日の粘り腰が見る者の心を揺さぶった。
末包は8月、16打席無安打の時期を経験した。現状打破につながったのは、首脳陣の助言。18日の早出練習では新井監督、藤井ヘッドコーチ、朝山打撃コーチとマンツーマンならぬ“スリーマン”で指導を受けた。
指揮官からは「タイミングを取って打ちに行く時、力が入ってしまって自分が思っているところよりブレが生じてしまっている」と指摘された。それを踏まえて構えの時点から脱力を意識し「今まで低く構えていた部分を真っすぐ立つようにして、ゆっくり待てるようなイメージ」に変更した。そのスタイルが奏功し、快音につながっている。
その後チームは再逆転され、八回表を終えて6-7。だが八回1死三塁から堂林が同点の適時打を放ち、土壇場で試合を振り出しに戻した。木沢の内角直球にバットを折られながらも、執念で中前へ運ぶ一打に、球場が沸き上がった。
リリーフ陣も踏ん張り、ベンチ入り26人全員が出場した死闘は、延長十二回で引き分けた。最後まで諦めない姿勢は新井カープの象徴。首位阪神の背中をナイン一丸で追いかけていく。





