【安仁屋宗八氏の眼】相次ぎ失点の広島・島内&栗林 「強い球を生かすべく強い気持ちで内角を突け」
「広島7-11楽天」(15日、マツダスタジアム)
広島は一時6点差をひっくり返したが、乱打戦を落とした。交流戦はこれで7勝8敗で黒星先行。2点を追う六回に菊池の同点2点適時打、代打・上本の適時打で逆転したが、八回に島内が3失点で再び逆転を許した。九回に登板した栗林も田中に2ランを被弾。デイリースポーツ評論家・安仁屋宗八氏は「強い球を生かすべく強い気持ちで内角を突いていきたい」と救援陣の奮起を期待した。
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大乱戦は楽天の再逆転勝利という形でけりがついた。広島サイドとしては、序盤の大量失点をひっくり返す気概を見せただけに、逃げ切りたかった試合となった。
広島先発・コルニエルが早々にマウンドを降りた。本人の調子もあるだろうがそれ以上に、楽天打線はバットを短く持って、反対方向に打ち返していくということを徹底していた。
コルニエルはこうした工夫にのみ込まれた形でのKOとなったが、一方の楽天もこの日登板した投手がいずれも不安定で、広島打線としては付け入る隙があった。
四回に松山のタイムリーなどで4点を返したところで、流れは一時、広島のものとなった。そして六回。その松山が頭部死球を受けた。いったん、治療に戻ったがベンチを飛び出して一塁へ向かった姿でチームを鼓舞した。この、1死満塁からの逆転劇ということに関しては、松山が陰の立役者と言っていい。
ただ八回に島内が再逆転された場面、ピンチが拡大する中で、相手の左打者に対して内角への直球がほとんどなかった。厳しいボールがない分、球が速くても当てることができ、それがヒットになって自身を苦しくした。九回の栗林もしかり。
6点差をひっくり返す、胸のすくような場面を楽しめただけに終盤、マウンドに立つ投手は大変だとは思うが、攻めの投球で勝利をたぐり寄せる姿勢が求められる。





