広島・末包 13日に今季初の1軍昇格 一発狙いから打率重視でイメチェン成功! 打率&打点ウエスタン2位
広島・末包昇大外野手(27)が、13日の楽天戦(マツダ)から今季初めて1軍に昇格する見込みとなった。開幕を2軍で迎えたが、打率・289、27打点はともにウエスタン2位。大振りする打撃から、狙い球を確実に仕留めるスタイルへの“イメチェン”が奏功した。右の長距離砲が自身初の交流戦で存在感を示す。
待ちに待った舞台を前に、自然と気持ちが高ぶった。交流戦は最後の6連戦。末包はこの日、荷物整理のためマツダスタジアムを訪れ、新たな戦いへ気合を入れた。「打席数をもらうためにも、最初に出た試合が勝負だと思う。早い段階で結果を出していきたい」と踏み出す第一歩に、集中力を研ぎ澄ませる。
開幕1軍入りは逃したが、遠回りではなかった。その分、つかんだ手応えと深まった自信がある。2軍に合流した当初は、早く1軍に上がりたい気持ちから、本塁打への意識が強くあったという。
しかし、4月末から“意識改革”に乗りだした。「本塁打を1本、2本打ったところで、打率が低ければ(1軍に)呼ばれないなと。率を重視して、安定して率が残ってから余裕を持てた。自分の思うように段階を踏んでいけたのが良かった」。思考の切り替えが奏功し、結果にも表れた。
12日時点でウエスタン・リーグでは同2位の打率・289、同トップタイの44安打。43試合で27打点と頻繁に走者をかえしてきた。11日にはマクブルームが出場選手登録を抹消された。左打者が多く並ぶ打線で、ポイントゲッターとしての役割も期待される。
昨年までは過度に長打を求めるあまり、外角低めのボール球に空振りするシーンが多くあった。しかし、今年の末包はひと味違う。
「ブンブン振らなくなったというか。『絶対打てないだろう』という球にも手を出していたので。『打てそう』という球だけ、しっかり振れていた。それが率も残った要因」。構えの時点から力を抜いて始動する打撃スタイルに変更した点もプラスに作用した。好球必打への“イメチェン”に成功した右の大砲候補。本拠地を盛り上げる準備は整った。
チームの交流戦の足取りは6勝6敗。2017年以来、6年ぶりの勝ち越しを射程圏に捉えている。末包にとって交流戦は初。「次に打席を与えたくなるような、そういう内容(の打席)を続けていきたい」。新味を見せ、打線に欠かせぬピースとなる。





