「広島６－３巨人」（８日、マツダスタジアム）

　左腕エースが帰ってきた。広島・床田寛樹投手（２８）が八回途中まで３失点の好投で今季初勝利。昨年７月１３日・ＤｅＮＡ戦（マツダ）以来、２６９日ぶりの勝利となった。昨年８月の試合中に右足首を骨折。復帰２試合目での勝利は新井カープにとってこれほど心強いことはない。チームは今季初の３連勝でＤｅＮＡに並んで３位に浮上した。

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　床田はこの日が今季のマツダスタジアム初登板だった。マウンドに上がる際に、バックスクリーンのビジョンには登場動画が流れるが、衝撃だった。三つの映像のうちの一つが、座って右足を抱えていた。あの昨年８月３日・ＤｅＮＡ戦の右足首骨折を再現したものだったからだ。

　「アハハ、はい。僕もやっぱり思い出したくないですけど、変に何か心配されるよりは笑ってくれた方が楽なんで。それぐらい足の状態はいいかなと思います」

　床田は飾らない性格で報道陣からも人気がある。勝ったときだけでなく、打ち込まれた日でも態度を変えることなく、むしろ、こちらを気遣って最後の質問まで丁寧に答えるからだ。

　いくら気遣いの人でも大けがまでも笑いに変えて、周囲に心配を掛けないようにするなんて。ますます床田ファンが増えてしまう。（デイリースポーツ・達野淳司）