広島・ケムナ 下半身強化で〝信頼感〟勝ち取る

 広島・ケムナ誠投手(27)が来季、“信頼される投手”になることを誓った。参加中の秋季キャンプでは下半身の粘りを生かして腕を振るテーマを掲げる。今季は43試合の登板で4勝0敗、14ホールドで防御率3・20。契約更改では800万増の年俸2700万円の大幅アップを勝ち取った。さらなる飛躍へ実りの秋を過ごす。(金額は推定)

 秋季キャンプ期間中に契約更改に臨んだケムナは、笑顔で判を押した。「ふがいない投球が多い中でもチームが評価をしてくれた。期待料も込めて、だと思う」。800万増の推定年俸2700万円でサイン。「来年こそはちゃんと成績を出せるように。オフは課題を持って取り組みたい」とさらに身を引き締めた。

 今季は春季キャンプ中に、へんとう炎を訴え離脱。スタートでつまずいたものの、5月に1軍舞台に戻った。8月後半からは登板13試合連続で無失点。安定感を発揮してブルペンを救った。結果的に、登板数は自己最多の43試合。3年連続で40試合登板をクリアした。

 毎シーズン、前進している姿はチームとして頼もしい。だが、もっと上を目指せる思いがある。中継ぎとして「試合数も、防御率も全部、上げないといけない。何より“ケムナが出てくれば大丈夫”という信頼感を勝ち取りたい。今だと“ケムナが出るとランナーが出るじゃん”という感じだと思う」。

 相手の攻撃が終わった時点で0を刻むことは最低条件。だが先頭打者に四球を与え、ピンチを招きながらも何とか踏ん張ったマウンドでは、心から喜べない。見る者全員を安心させる“すべ”を、さらに磨いていく。

 その第一段階として秋季キャンプでは下半身に重点を置く。「シーズン中から思っていたが、上半身で投げる投手だったので。上半身の粘りがなくなってくると…。下半身強化をメインに、下半身で粘り強く投げられる、1年間通して投げられる体づくりをテーマにやっています」。長丁場のペナントレース。タフさが求められることは痛感している。長いスパンで戦い抜ける投手になるべく、日南で汗を流している。

 増額分の使い道については「実家のリフォームじゃないけど、内装を良くしたいなと思う。親のために使いたい。裕福な方ではなかったので恩返し、親孝行ができたら」と明かした。タフで心優しい27歳は、仲間とファンを安心させるリリーフ右腕を目指していく。

 ◆ケムナ 誠(けむな・まこと)1995年6月5日生まれ、27歳。本名はケムナ・ブラッド誠。米ハワイ州出身。190センチ、98キロ。右投げ右打ち。投手。日南から日本文理大を経て17年度ドラフト3位で広島入団。米国人の父と日本人の母を持つ。2019年9月15日・ヤクルト戦でプロ初登板し、20年11月5日・巨人戦で初勝利。

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