新井カープの改革第1弾 坂倉の捕手“再コンバート”は吉と出るのか~北別府氏見解
広島・坂倉将吾選手(24)が捕手一本に戻して再出発することになった。内野手兼任は終了となるが、この新井新監督の改革第1弾は吉と出るのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「マスクをかぶり続ければモノになるはず」と予測した。
今年の坂倉は忙しかったね。三塁を守ったり一塁を守ったり。捕手で先発することもあれば、試合途中からグラブをミットに持ち代えてマスクをかぶることもあった。あれは大変ですよ。捕手が一番神経をすり減らすポジションだということを考えれば、本当に酷だったね。
逆に言えば器用なのかもしれない。過去には外野を守ったこともあり、ベンチにとっては使いたくなる選手。あれだけ打つんだからね。でも“器用貧乏”になっちゃいけない。
昨年の打率・315に比べて今年は・288。打力を生かしたいという理由で半ばコンバートしたわけだけど、どこか中途半端に終わってしまったような印象はあるね。
(今季は143試合に出場し、先発マスク18試合を含めて22試合に捕手として出場。7月以降は全試合に内野手として出場した)
坂倉はよくやったと思うよ。打率は下がったけど、本塁打は昨年より4本増えて16本。パワーがついて着実に成長している。マクブルームが欠場しているときは一塁に回って4番を打っていたし、頼りになる中軸打者ですよ。
捕手一本に戻して再出発することに関して言えば、インサイドワークや送球など、乗り越えなければならない厳しい“カベ”はあるが、マスクをかぶり続ければモノになると思っている。
(広島の盗塁阻止率はリーグ最下位の・204。内訳は会沢・180、磯村・261、石原・200、中村奨・333、持丸・200、白浜・000。坂倉は・133)
課題は明白だけど、それは自分自身でも理解しているはず。捕手一本は本人も希望していたとのこと。ならば気合を入れて必死になるだろうし、なにより故障がちな会沢ら他の捕手の刺激にもなる。
さらに言えば、内野の一角を若い選手が奪い合う新しい競争が生まれる。そういう狙いも新井監督にはあるのかもしれない。
場合によっては、坂倉の最大の魅力である“バッティング”がベンチを温めることになるかもしれないが、打てる捕手は貴重だ。
カープ3連覇に貢献した石原慶幸さんが、1軍のバッテリーコーチとして復帰することでもあるし、坂倉を一人前の捕手に育ててくれるでしょう。
彼は思考が柔軟でリードも軟らかく、配球が強引になったり極端な組み立てをすることがなかった。強引なリードはハデで成功すると目立つが、打たれることも多いからね。
サインに首を振った投手の“呼吸”に合わせることもできる。全体を見ることができて周囲に気配りができるという意味では、達川さんレベルかもしれないよ。
選手の力を最大限に引き出してくれるのではないかな。石原さんは長い間レギュラー捕手として活躍していたし、抑え捕手の役割を担うこともあった。経験豊富な人なので、大いに期待したいね。