カープ2軍総括「離脱しない体作りを」 指揮官が伝える「レギュラー」の条件
ウエスタン・リーグが全日程を終えた2日、高信二2軍監督(55)が今季の戦いを総括した。49勝49敗8分けの3位。2年目の矢野雅哉内野手(23)や、プロ初勝利を挙げたドラフト2位・森翔平投手(24)が存在感を示した一方、若手のケガが目立った。指揮官は“離脱しない体”を作ることを要望。10日から開幕する、みやざきフェニックス・リーグでは個々がレベルアップに励む。
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育成と準備の両輪を掲げたファームの戦いは、1軍と同日に幕を閉じることになった。2軍の公式戦で鍛錬を重ね、1軍舞台を目指した選手たち。だが、1軍レギュラー陣を脅かすほどの存在は、現れなかった。
響いたのは、何と言ってもケガによる離脱者が目立った点。投手では期待の成長株と言われた小林樹斗投手(19)、野手では新人のドラフト4位・田村俊介外野手(19)らが故障で一時、戦列を離れた。先発投手の不足で中継ぎ投手が先発を務める試合もあった。
高2軍監督は「みんな若手に言いたいのはケガでね、せっかく(このまま)行くのかなという時にケガで停滞してしまったり。期待していた若手が最初、ケガをしていたことが誤算だったかな」と振り返った。
自らの肉体を存分に鍛え、地力を養える時間が2軍にはある。だからこそ、ケガは最も避けたい。長丁場のペナントレースを耐え抜くための体力は試合を通して得られる。「何年もレギュラーを張れる選手は、休むようなケガはしない。“離脱しない体”というか、そこを目指してね。ゲームの体力というのは絶対ありますから」と指揮官は、タフな体作りを求めながら個々の課題とした。
そんな中、若手では矢野が1軍に定着。コロナ禍が1軍を襲った8月に昇格すると同16日の中日戦でプロ初本塁打を記録。安定したグラブさばきと自慢の強肩で出場機会を増やし、“爪痕”を残した。
投手ではドラフト2位・森が台頭した。2軍では13試合に登板し4勝3敗、防御率2・75。安定感を示してアピールを重ね、9月7日の中日戦ではプロ初先発初勝利を挙げた。1軍舞台で輝いた投打の2人には来季、さらなる飛躍が期待される。
チームは10日から31日まで、みやざきフェニックス・リーグに臨む。「変わらず、ウエスタン・リーグ公式戦の延長(という位置付け)。実戦の中で得るモノが一番大きいと思うので」と高2軍監督。今年最後の実戦機会は、来季への助走期間になる。大きく羽ばたく来春に向けて、若武者たちが牙を研ぐ。





