カープ森下 得意の阪神戦まさか6失点KO 自己最多11勝スルリで3位と2差の5位後退

6回、梅野の2点適時打で逆転を許した森下(撮影・田中太一)
6回、梅野に痛打され顔をしかめながら降板する森下
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 「阪神6-5広島」(14日、甲子園球場)

 広島は勝てば同率3位に浮上できる一戦だったが、森下暢仁投手(25)は3度のリードを守り切れずまさかの六回途中6失点KO。打線は粘りを見せたが、届かず敗戦。5位に転落し、CSを争う3位・阪神とは再び2ゲーム差に開いた。残り8試合。負けられない戦いは続く。

 森下は三塁ベンチ最前列で思わずうつむいた。こみ上げる悔しさをなんとかこらえて戦況を見守った。

 勝てば同率3位に浮上という一戦。中5日でマウンドに上がった森下も当然、気合を入れていたが、体は思うように動いてくれなかった。

 初回に2点を先取もその裏に追いつかれた。中野、糸原に連打、近本の犠打でカットボールを投げるまで、8球すべて直球。ただ、直球にこだわったわけではなかった。

 「いや、特に。どの球種も微妙という感じでした。それでもなんとかしないといけないので」

 初回は使える球種が見つからないまま、直球中心で2失点。それでもインターバルでフォームチェック、ストレッチを繰り返して修正。二回から四回まではパーフェクトに抑えてみせた。ところが五回、西川の一発で再びリードした直後にマクブルームの失策などもあり、同点とされる。

 六回には打線が3度目のリードを奪ったが、その裏だった。1死から佐藤輝、小幡の連打で一、二塁。続く梅野をカウント1-2から外角低めに150キロを決めたと思ったが、判定はボール。思わず両手をあげた。そして最後は、高めに浮いた直球を右中間に運ばれる逆転の三塁打。六回途中6失点でKO。自己最多の11勝目はまたもならなかった。

 佐々岡監督は六回の続投について「まだいけると、こっちは判断していましたし、まして森下で、今のうちでは一番安定した投手でもあるし」と信頼を口にした。

 指揮官の期待に応えられなかった右腕。「本当に勝たないといけない試合を2つ落としてるんで、なんとか残り試合、投げさせてもらえるところで結果を残したいと思います。それだけしかないです」。前回8日・中日戦では7回1失点で敗戦。そしてこの日、今季防御率0・60と相性の良かった阪神に敗れ、その責任を負った。

 すでに自己最多、リーグトップの168回を投げ抜いてきた。疲労はもちろんあるが、言い訳にはしない。チームは5位に転落したが、残り8試合、任されたマウンドで今度こそ勝利へ導く。

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