広島・栗林 新人から2年連続30S 今季初の回またぎ 球団初快挙で3位と1差

 8回途中から登板する栗林(撮影・飯室逸平)
 8回途中からマウンドに上がる栗林(撮影・田中太一)
2枚

 「阪神3-6広島」(13日、甲子園球場)

 広島・栗林良吏投手(26)が球団史上初の新人から2年連続で30セーブを挙げた。八回のピンチから登板し、今季初の回またぎで1回2/3を無失点。新人からの2年連続30セーブは2015~16年のDeNA・山崎以来、2人目の快挙となった。逆転CSを目指すチームは総力戦で勝利し、3位・阪神に1ゲーム差に迫った。

 盛り上がり始めた敵地の雰囲気を、華麗に沈めた。鯉の意地を懸けた総力戦を締めくくれるのは、この男しかいない。落とせない一戦で踏み締めた大台。バトンを託された栗林は、驚くほど冷静さを保っていた。「昨年もやっていること。そんなに緊張したというのもなかった。いつも通り入れました」。頼もしい言葉を並べ、節目の30セーブに到達だ。

 出番はいつもより早く訪れた。八回、5番手の矢崎が代打・マルテに適時打を浴びて4点差。ここで佐々岡監督が交代を告げた。場内に「ピッチャー・栗林」のコールが響くと、ざわめきと驚きが交錯した。

 ただ、本人はすでに心のスイッチを入れていた。「八回からでも、行くタイミングがあるかもと言われていた。準備はできていた。元々、九回でも同じ気持ち。『やってやるぞ』という気持ちでマウンドに上がっている」。心を熱く燃やし、冷静に役目を全うした。

 1死一、三塁から代打・島田に中犠飛を許すも、続くロハスを空振り三振。相手の反撃ムードを食い止め、傾きかけた流れを三塁側へ引き戻した。続く九回も中野を三ゴロ、糸原を投ゴロに料理して最後は近本を空振り三振に斬った。

 イニングまたぎは昨年5月8日・中日戦以来、今季初でプロ入り2度目。それでも淡々とアウトを重ねる姿が心強い。新人からの2年連続30セーブはDeNA・山崎以来2人目で球団初の金字塔だ。「セーブ数はチームのおかげでもあるし、監督さんが使ってくれたおかげで30セーブまでいけた。自分の力というより、みんなに感謝してこれからも継続して頑張りたい」と殊勝な姿勢を崩さない。

 複数年での30セーブは07~09年の永川勝浩(現2軍投手コーチ)の3年連続以来。勝負手を解禁した佐々岡監督は「負けられない試合があと10試合というところで。選手も分かってると思うので」と振り返った。入団が決まり、開幕前の頃には「不安な気持ちとプレッシャーで押しつぶされそうなぐらいだった」と今では苦笑する。「残り試合は全部行くつもりで準備したい。勝ちに貢献できるように」。栗林がいれば、何も怖いものはない。

 ◆新人から2年連続30セーブ 栗林が30セーブ。新人年から複数年連続は球団初。新人年からに限らず球団で複数年連続30Sは07~09年、永川の3年連続以来。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス