カープ堂林 4位浮上導いた!G連倒となるV撃&3打点 阪神と1・5差に
「広島6-4巨人」(28日、マツダスタジアム)
広島・堂林翔太内野手(31)が2安打3打点の活躍で、チームを4位浮上へ導いた。初回に同点の2点適時打を放ち、五回は勝ち越しの適時二塁打。負ければ自力CS消滅という危機の中、価値ある働きで打線をけん引した。チームは3カードぶりのカード勝ち越しを決め、30日からの3位・阪神との直接対決に弾みをつけた。
晩夏の風と温かい拍手が入り交じり、堂林を優しく包み込んだ。敵の背中を捉え、突き放した一撃。苦しんだ末に生まれた快音が白星に直結する。心から笑える日が訪れた。「ホッとしています」。夏休み最後の日曜日。応援してくれたファンに、最高の思い出をプレゼントした。
幕開けは2点を追う初回。2死満塁から左前へはじき返す2点適時打で、すぐさま試合を振り出しに戻した。「すごくいい場面で回ってきた。点を取られた後、追い付けて良かった」。3四死球で巡ってきた絶好機を逃さなかった。
そして同点の五回は2死一、二塁の場面。2球で追い込まれ「三振がよぎった」と明かしたが、背番号7らしい右打ちで右翼線への適時二塁打。球場の盛り上がりは最高潮に達した。2ストライクとなり「どんな球でも対応できるようにしていました。(ファウルにならず)切れなかったので、いい反応ができたと思います」と納得顔で振り返った。
23日・ヤクルト戦の2打席目以降、19打席ぶりの安打が初回の同点打。打点を挙げたのも7試合ぶりで、久々にともしたHランプがチームを活気づけた。無安打が続いても焦りはなく「感じは悪くなかったので我慢して。(一本出ればと)信じてやっていました」と歯を食いしばった。
コロナによる主力組の離脱で先発出場が増加。「何とか結果を残そうと必死でした」と心境を吐露する。レギュラー陣が1軍に復帰しても「スタメンであろうが代打出場であろうが、しっかりとした準備をして」とスタンスは不変。己を貫き、チームへの貢献度を深める構えだ。佐々岡監督も「しぶとく打ってくれたし、いい働きだった」とたたえた。
30日からは敵地・甲子園に乗り込み、1・5ゲーム差で追う3位・阪神との直接対決。「もう、負けられない試合ばかり。また、あさってからも頑張ります」。この男の活躍は鯉党の胸を打つ。終わりゆく夏に逆らうように、背番号7が9月戦線を熱くさせていく。




