広島ドラ4田村 自信深めた聖地での鮮烈弾 プロでも早く見たい

 広島のドラフト4位・田村俊介外野手(18)=愛工大名電=が、自身の高校時代を振り返った。母校は22日に閉幕した第104回全国高校野球選手権大会で41年ぶりの8強入りを果たした。自身も昨年の大会に出場し、本塁打をマーク。周囲を沸かせた当時の一打と、強豪で鍛錬を積んだ思い出を語った。

 鮮烈なアーチの感触は、今なお両手に残っている。昨年の夏の甲子園。田村は1回戦・東北学院との一戦で、右中間へソロを放って非凡な打撃センスを披露した。「風も強かったけど、行ってくれて良かった」と笑顔で当時を思い返した。

 場面は3点を追う八回先頭。長打を狙う意識はなく「点差もあったので自分が出て次につなぐ、ぐらいで打席に入った。たまたま振ったところにチェンジアップが落ちてきて打てました」。突き刺した一発は高校通算32本目の本塁打となった。

 チームは初戦敗退。しかし初めて足を踏み入れた甲子園で大きなインパクトを残した。「最後の最後、甲子園に行って本塁打も打てましたし、いい経験はできたかなと思っています」。高校最後の公式戦で自信を深めた。

 その母校は今夏、41年ぶりに夏ベスト8へ駒を進めた。昨年の大会に2年生で出場していたメンバーがレギュラーとして活躍。「去年のメンバーが半分以上残っている。甲子園の(試合への)入り方が分かっていると思うので、スムーズに1回戦に入れたのかな」と後輩たちの姿を頼もしそうに見つめた。

 強豪ひしめく愛知県は、県大会を勝ち上がるだけでも至難の業。そんな激戦区を制した要因は、センバツ出場を懸けた20年の秋季県大会で喫した黒星だという。2年生で最高学年となった田村の代は2回戦で愛産大三河に敗戦。「そこでチームも変わったというか。冬のトレーニングも『絶対に夏、出るんだ』という気持ちで、皆で一丸となってやっていた」とナイン一丸で努力を重ねた日々を振り返った。

 全力で駆け抜けた3年間を終え、プロの世界に飛び込んだルーキー。7月には試合中の負傷で一時戦列を離脱したが、今月中旬から2軍本隊の練習に復帰した。「球に入っていくバットの軌道を意識している。試合では詰まってのアウトが多かった。そこはしっかり芯に当てる確実性は求めていきたい」。大舞台で描いた放物線。次は1軍で放つ日を目指し、汗を流していく。

 ◆田村 俊介(たむら・しゅんすけ)2003年8月25日生まれ。京都府舞鶴市出身、18歳。178センチ、90キロ。左投げ左打ち。外野手。背番号60。舞鶴市立中舞鶴小から明徳義塾中へ進学。愛工大名電では入学直後からベンチ入り。3年夏に甲子園に出場するも1回戦で東北学院で3-5で敗退。21年度ドラフト4位で広島入団。今季推定年俸500万円。

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