石原「実力不足。練習するしかない」 攻守両面で精度向上へ試行錯誤
広島・石原貴規捕手(24)が攻守両面での精度向上を図っている。安定感ある守備にはさらなる磨きをかけて、打撃では確実性を高めることを心掛けている。昨季は60試合に出場するも、今季ここまではまだ3試合。チーム内で競争相手も多い捕手というポジションで己の存在価値を高め、大きな成長曲線を描いていく。
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もどかしい思いを抱きながらも、気持ちは前を向いている。現在2軍で汗を流す石原は、安定感をテーマに掲げている。「守備はスローイングもそうですし、もっと安定させること。バッティングも捉える率を高くすることをテーマにやっています」と取り組みを明かした。
元々、スローイングには正確性があった。それをさらに高めることで守備力アップを狙う。「正確性ありきの早さ、のイメージ。早さも大事ですが、正確に投げないとアウトにならない。正確に投げることを考えた上で早く投げるという感じです」と説明。正確さと素早さの双方を求めるため、継続している「なるべく(体の)近くで捕るように」という意識をいま一度、強めている。
2年目の昨季は60試合に出場して出番を増やした。だが今季は2度の出場選手登録抹消を経て、1軍試合出場は、まだ3試合にとどまっている。「実力不足と思っています。練習するしかないし、考え方ももっと深めていかないといけない」と現状を受け止め「『もっとできる』とは自分では思っているんですけど、そこにまだ僕が付いてきていない」と胸中を明かした。
描く理想と、それに向けたアプローチ。3年目の24歳は、さらなる上昇曲線をたどっていくことに意気込む。「あまり小さくまとまるのではなく。1日1日を無駄のないように過ごさないと。1軍で(試合に)出て、どう活躍したいかというビジョンをしっかり持たないといけない」と闘志を燃やす。
2軍では9日時点で36試合に出場し、打率・231、3本塁打、8打点。正捕手の会沢を筆頭に先月には持丸が支配下登録された。坂倉、磯村、中村奨ら、捕手はチーム内での“最激戦区”だ。ライバルたちにはない自らの魅力、武器を押し出しながら競争に挑んでいく。
「去年の成績で満足していないし今年は全然(試合に)出られていない。歯がゆさもありますけど、そこは僕の実力だと思って。やるしかないと思っています」と石原。悔しさを力に変え、ここからもう一度はい上がる。(向 亮祐)
◆石原 貴規(いしはら・ともき)1998年2月3日生まれ。兵庫県宝塚市出身。右投げ右打ち。24歳。捕手。173センチ、85キロ。小学2年から野球を始め、宝塚リトル、甲子園リトルシニアを経て創志学園、天理大に進学。大学では1年秋にベンチ入り。リーグ戦では2度のベストナインに選出され、4年の春には首位打者を獲得した。2019年度ドラフト5位で広島に入団。





