広島・末包「お祭り騒ぎ」 本拠で球団新人初満塁弾 5発21安打17点爆勝導いた

 「広島17-3DeNA」(8日、マツダスタジアム)

 広島のドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=が、本拠地初アーチをプロ初の満塁本塁打で決めて大勝を導いた。9点リードの四回無死満塁から左翼席に放つと、これが球団史上初となる新人選手の本拠地満塁弾に。打線は5本塁打に加え、4安打の選手が4人という猛爆ぶりで、いずれも今季最多となる21安打17得点。2カード連続で勝ち越し、2位に浮上した。

 本塁を踏んだ末包が力強く両拳を握った。顔を上げると上本、坂倉、マクブルームが笑顔で待っていた。本拠地1号を、プロ初の満塁本塁打で飾った。

 「最高の結果。今まで味わったことのないホームラン後のダイヤモンド一周。お祭り騒ぎで気持ち良かった」

 9点リードの四回無死満塁。宮国のシュートを強振した。打球は左翼席上段へ。初回は得点機で二塁併殺に倒れた中、球団新人では初となる本拠地でのグランドスラムで、悔しさを晴らした。

 “記念日男”だ。プロ初本塁打を記録した4月2日(中日戦)は、妻・杏子さんの誕生日で、この日は母の日。「たまたまっすかね」と笑ったが、2度目の記念日弾に“持ってる男”を感じさせた。

 母・尚子さんはソフトボールの経験者のため、野球談議は活発だ。4月中旬に初球を打って凡退した時には「『岡本和はもっとじっくり待ってしっかり捉えているのに』みたいなことを言われた」と話す。「僕が『結果論やん』と返信したり、いろいろ言い争ってます」。それでも、常に気に掛けてくれることへの感謝は尽きない。

 母の日には社会人になってから毎年カーネーションを贈ってきた。今年も杏子さんと一緒にプレゼント。試合終了直後の段階では、行方が分からなかった本塁打球も「(戻ってくれば)母にあげたい」と渡す考えだ。

 ルーキーの豪快な一発を含め、チームはいずれも今季最多となる21安打17得点に。試合前までリーグワーストの11本塁打だったが、21年以来の1試合5本塁打を記録。さらに、セ・リーグでは広島だけが2度記録していた“1試合4安打4人以上”も達成と、記録的大勝となった。

 佐々岡監督は「5月はこいのぼりの季節とよく言われる中でね。勝ち越しもできた」とにっこり。ゴールデンウイーク6連戦を4勝2敗で終え2位に浮上。首位ヤクルトとのゲーム差は「1」だ。

 末包は「一発で仕留められるようにもっともっとしていきたい」と前を見据える。誰にも負けないパワーを武器に、チームのために放物線を描き続ける。

 ◆球団新人初の本拠地満塁弾 広島新人選手の満塁本塁打は1992年7月26日・大洋戦(横浜)で町田公二郎が記録して以来、30年ぶり。本拠地なら末包が球団初となった。プロ野球史上では57人目。セ・リーグでは阪神・佐藤輝明が21年5月2日・広島戦(甲子園)で野村から放って以来、19人目。

 ◆セ界タイ1試合4安打4人 4選手4安打以上はセ・リーグタイで今回が3度目。過去2度は共に広島で1950年と94年。また、球団の1試合最多得点は22、最多安打は28でいずれも50年6月7日・大洋戦。なお、1試合21安打は23安打した20年7月11日・中日戦、1試合5本塁打は21年8月26日・巨人戦以来。

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