広島の崖っ縁男 堂林が1番で必死のアピール!北別府氏「今年の活躍は危機感の表れ」

 広島・堂林翔太内野手(30)が23日のDeNA戦で2年ぶりの本塁打を放った。1番・左翼で起用されて2安打2打点。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「今年の活躍は危機感の表れ。彼本来の打撃を取り戻したね」と評価し、好調の持続を期待した。

  ◇   ◇

 堂林の魅力は何と言ってもホームラン。DeNA戦で放った先制2ランは、バックスクリーン左横まで飛んでいく大きな当たりだったね。

 上茶谷のボールは外角を狙ったのが真ん中高めに入って来た直球。それを引っ張らずにきれいにはじき返していた。

 彼のよさはセンターからライト方向への打球を意識して打てるところ。しかも長打がある。

 悪いときはだれでもそうだが、外への甘い球を引っかけて内野ゴロになる。キャンプでもそこに意識を置いて練習をして、今年は彼本来の打撃ができているのではないか。

 また今年は三振するシーンが少ないようにも思う。まだ打席数が少ないから言い切ることはできないけど、少なくとも昨年よりは、ボールについていくことができているのではないか。

 カウントで追い込まれても右方向への意識がある分、ファウルで逃げることができる。その結果、打率も残せていると感じる。

 (25日現在で今年の三振率は・147。昨年が・238。プロ入り最高打率・279を残した2020年は・202だから、調子のよさがその数字からうかがえる)

 昨年の堂林は打席の中で迷いがあるのか、狙い球が絞り切れず、簡単な誘い球に乗って空振りすることが多かった。

 結果、シーズン成績は出場試合が70にとどまり、打率は・190でしょう。オフの整理対象選手の候補リストに名前が載っていたかもしれない。それぐらい悪かった。

 実際、中堅選手で実績のある今村がユニホームを脱いだのだから他人事ではなかったはず。今年の活躍は危機感の表れだろうね。

 そのDeNA戦では二塁走者のソトを本塁で刺す好返球も見せていた。田中俊太のレフト前ヒットをさばいたもので、守りのリズムもいいね。

 1歩目が遅れると間に合わないものだが、モヤモヤしたものがなく、余計なことを考えていないのがいいのかもしれない。

 小園の不振から西川が3番に入ったことで堂林がトップバッターに指名された。一発のある1番打者は投手にとっても恐怖だろうから、起用法としては面白い。

 今後は相手も抑え込みにかかり、スピードの変化をつけた外のボールが多くなるはず。それを上回る対応を見せないとね。24日の試合はチャンスで1本欲しかった。

 外野のポジションはまだまだ流動的。好不調の波はあるだろうが、変化を恐れずに進化し続けてほしい。年間通してポジションにつき活躍する堂林を見ることができたら、チームも躍進しているのは間違いないですよ。

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