広島・正随“ラオウの金言”で巻き返し打
広島の正随優弥外野手(26)がもがき苦しんでいる。プロ4年目、今季は“ポスト鈴木誠”として期待されながらも開幕2軍スタート。打撃を見失い、一時は不調に陥った。“ある人”の助言を思い出し、徐々に当たりを取り戻してきた。ここから巻き返し西川、上本ら好調の1軍外野陣へ自慢の長打で殴り込みをかける。
右の大砲候補、正随が苦しんでいる。
「出だしでつまずいた。素晴らしく悪かったんですけど、少しずつ良くなりつつあるかなというところです」
自虐的に笑った。今春キャンプでは“ポスト鈴木誠”の一人として期待された。応えるように初日から快音を飛ばし、アピールした。だが、日を経るごとに末包、中村健のルーキーコンビや大盛、中村奨らの活躍に押し出される格好で開幕は2軍で迎えることになった。1度狂った歯車はなかなか元に戻らない。2軍戦でも結果が出ない日々。原点に戻ることにした。
「引っ張りの意識が強すぎたので。去年も悪くなったときは右中間の方向に意識を持ったときに修正できた。そこかなと思った」
思い出したのがある人の言葉だった。
「ラオウさんも言っていたように、イメージは右中間方向に。タイミングが早いとか、変化球に泳がされたときに左中間、レフトに大きいのが打てるように意識しています。持ち味は逆方向に大きいのが打てる。そこをもっと使っていきたいと思っています」
ラオウとは昨季、パ・リーグ本塁打王のオリックス・杉本。1月に阪神・江越らとともに自主トレ。助言を求めた。
「ラオウさんは泳いでいるイメージがあったんですけど、実際は(捕手寄りの)ギリギリで打とうとしているっていうことを聞いた瞬間にエッ?てなりました。全部、詰まってもいいと思って打っていると」
ラオウの金言を胸に徐々に本来の当たりを取り戻していった。13日のウエスタン・オリックス戦(由宇)の四回に左中間スタンドに運ぶ2号2ランを放った。
「今年が勝負だと思っています。大卒4年目で外野手も多くて競争も激しい。今年は特に印象を残したい。“正随はやっぱり1軍で使わないといけない”と思われるくらいに。ここから挽回です」
目の輝きは変わらない。豪快なスイングを武器に、巻き返してみせる。
◇正随優弥(しょうずい・ゆうや)1996年4月2日生まれ、26歳。大阪出身。180センチ、100キロ。右投げ右打ち。外野手。大阪桐蔭から亜大に進み、18年のドラフト6位で広島に入団。今季はウエスタン16試合に出場し、打率・204、2本塁打、8打点(17日現在)。





