広島“快進撃”の秘密 鈴木誠也が抜けたら勝ちだした~その理由を北別府氏が探る

 広島が開幕から10試合を終えて7勝3敗。絶好の滑り出しで、鈴木誠也流出の戦力ダウンを感じさせない快進撃を見せている。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「今はチームがひとつになっているのが分かる」と語り“誠也頼み”からの脱皮に選手の成長を感じている。

 カープが開幕から好調だね。安定した投手陣に打線がうまく絡んで6連勝。中日に3連敗したが、地元に戻って巨人に勝ち、また元気を取り戻したね。

 まだ始まったばかりだから手放しで喜ぶわけにはいかないけど、波に乗っているのは確かでしょう。

 ところで、上本がヒーローインタビューを受けた試合があった。彼は開幕からほぼ先発で試合に出ている。チームから鈴木誠也が抜けたことで、チャンスを得た選手の1人だ。

 ほかに新人の末包や中村健も先発で起用され、レギュラー争いが激しい。打線の中軸を担う坂倉や小園は、まだ若手と言ってもいい年齢だが、この若ゴイ打線を中堅選手の西川が引っ張っている。その西川の存在が大きいね。

 鈴木誠也が抜けたことで打線に大きな穴が空いたのは間違いないよね。ただ昨年のオフから、いろんな選手がこの穴に入り込もうと必死に狙っていた。

 これまで試合終盤で起用されることが多かった上本も、無我夢中でポジション奪取に挑戦し、現状では正選手ですよ。

 そして無視できないのはベンチの雰囲気。昨年まではチームの大黒柱である4番の鈴木誠也に頼りすぎる傾向があったからね。

 誠也の前に走者をためる。誠也の一発に期待する。当然だが、そんな空気がいつも漂っていた。

 誠也が好調な時はいいが、不調になると、どうしても空気が重くなる。まさに“お山の大将”を囲むように周りが気を使い、遠慮がちになる。いい悪いではなく、何年かレギュラーを張ると、だれでもそうなるものだ。

 今は変に気を使うようなこともなく逆に“オレもオレも”という感じ。つまり、みんながひとつになって戦っているように見えるんですよ。

 新外国人選手のマクブルームまで、そういう“つなぐ野球”を理解しているような打撃をしているね。四球もよく選んでいる。

 マクブルームはまだ来日して間がなく、相手投手が何を投げてくるか分からない段階。この状態で打席に立っているから、はっきりしたことは言えないが、打撃フォームを見て感じることはある。

 左足を踏み出すステップが小さいから頭の上下動が少ない。そのため落ちる球にひっかかって三振することは少ないかもしれない。バットはトップの位置で待てるから、変化球にはある程度、対応できるように思う。

 一発の迫力にはやや欠けるが、投手から見ると打ち取りにくい、いやなタイプの打者ではあるね。

 率は残せそうだから、あとはどれだけジャストミートする確率を高められるか。角度さえつけば一発が増えるはず。

 鈴木誠也が抜けて絶好調のカープ。この新4番にも期待して見ていきましょう。

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