広島の開幕4連勝 石原慶幸氏が解説“つなぎの2人”が開幕ダッシュ呼び込んだ

 9回、四球を選びガッツポーズで一塁へ向かう上本(撮影・立川洋一郎)
9回、サヨナラ打を決めた広島・西川龍馬はガッツポーズを決める=マツダスタジアム(撮影・田中太一)
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 「広島3-2阪神」(29日、マツダスタジアム)

 広島が逆転サヨナラ勝ちを収め、開幕からの連勝を4に伸ばした。開幕前の、ほとんどの評論家の低評価に発奮した赤ヘルナイン。本紙評論家・石原慶幸氏は「広島優勝」を予想した数少ない1人だが、このサヨナラ劇に声を弾ませた。

  ◇   ◇

 まずは、人数制限がなくなってファンが多く入ってくださったマツダスタジアムの雰囲気が、以前に近いものに戻ってきて「いいなー」と感じさせられた。

 その後押しもあってカープは逆転サヨナラ。お世辞抜きに、すべての選手がいい働きをしているが、特に菊池涼、上本という、つなぎ役を求められる2人の存在は大きい。

 菊池涼はこの日、三回に犠打を決めて先制点を演出した。しかもこれがプロ野球史上8人目となる通算300犠打というすごい記録でもあった。

 開幕カードとなったDeNAとの3連戦では犠打あり、一発ありと、非常に彼らしい、味のある活躍をここまで見せている。

 そして、上本。九回1死二塁から、粘りに粘って四球を勝ち取ったことが、この劇的勝利の大きな要因となった。

 この打席だけでなく、プロ入り10年目で始めて開幕スタメンを勝ち取ってからずっと、自身の役割に徹する姿には、本当に今季に賭ける思いが伝わってくる。長いシーズン、いい時ばかりではないが是非ともこのまま行ってほしいものだ。

 また、新戦力の初登場も目を引いた。まずは新外国人のマクブルーム。結論から言うと、下で3試合という少ない調整の中、異例とも思える早さでスタメンに名を連ねた。

 1試合で、なかなか評価はできないが、九回にはサヨナラにつながるヒットもあった。首脳陣の期待があってこその早期起用。その期待を感じ、また応えてほしい。

 そして新人左腕の黒原。接戦の七回2死二、三塁という非常に緊張する場面で、打者・糸原に対し3-0とカウントを悪くしながら、三振を奪った。そこまで持って行けた力、というものを感じることができた。

 プロとして1歩目を踏み出した、その瞬間の気持ち、緊張感といったものを忘れず持ち続けてもらいたいと思う。

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