広島カープジュニア悲願初V狙う「NPB12球団ジュニアトーナメント」28日開幕
プロ野球12球団のジュニアチームのナンバーワンを決める「第17回NPB12球団ジュニアトーナメント」が12月28~30日の3日間、神宮球場と横浜スタジアムで行われる。広島カープジュニアを率いるのは、就任2年目となる広島OBの天谷宗一郎監督(38)。選手の能力を最大限発揮できるように“伸び伸び野球”を心掛け、悲願の初優勝を目指す。
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赤いユニホームを身にまとった小さな鯉戦士が元気にグラウンドを駆け回っている。決戦まであと1週間に迫り、選手の表情も引き締まってきた。指導にも熱が入る天谷監督は「打力のあるチーム。打ち勝つ野球をしたい」と力強く意気込みを語る。
「NPB12球団ジュニアトーナメント」は、日本野球機構(NPB)の事業の一環として子どもたちがプロ野球選手への夢を身近に感じてほしいという考えのもと、2005年に創設され、今年で17回目を迎える。19年から大会方式がTQB(得失点率)を用いた勝ち上がり方式に変更。4球団で行われる決勝トーナメントに進むためには予選2試合で1点でも多く得点を取りながら、いかに失点を防ぐかが重要になる。
対象は小学5・6年生。カープジュニアは16人の6年生でチームを構成している。8月に選考会が行われ、94人が参加。遠投や50メートル走、ノックなどの練習を行い、精鋭16人が選出された。天谷監督は「おとなしい子が多い。選ばれたことに自信を持って、プレーしてもらいたい」と期待を寄せる。
中学生チームと練習試合を組むなどして強化を図ってきた。村上来海(くう)主将は「仲のいいチーム。(選考会に)落ちた人の思いも背負って戦い、優勝を目指したい」と闘志を燃やした。
初戦の相手は2連覇中のヤクルトに決まった。広島は昨年4強入りを果たしており、今大会では悲願の初優勝を目指す。指揮官は「優勝を目指す中でも礼儀や振る舞いは大切にしたい。結果はどうあれ、子どもたちの今後の野球人生において何か財産になるようなきっかけをつかんでほしい」と大会を通じての成長を願った。
ヤクルトの田口(カープジュニア出身)や広島の林(タイガースジュニア出身)らこれまで多くのプロ野球選手を輩出してきた12球団ジュニアトーナメント。カープジュニアナインも大きな夢を胸に秘め、一戦必勝で悲願の頂点をつかみ取る。(デイリースポーツ・赤尾慶太)





