広島・高橋建氏 1軍投手コーチ就任 12年ぶりの復帰で“建さん流”改革プランも

 広島は15日、来季のコーチングスタッフを発表した。1軍投手コーチには、広島OBで今季まで阪神2軍育成コーチを務めた高橋建氏(52)が就任。マツダスタジアム内で入団会見を行い、投手王国復活へ尽力すると宣言した。先発陣には当初決めた球数やイニングに到達した場合、状態が良くても交代させる“建さん流”の改革プランを打ち出した。

 喜びがあった。高橋投手コーチは、真っすぐ前を向いて思いを表現した。広島でプロとしての第一歩を踏み出し、米大リーグ・メッツを経て10年に古巣で現役生活を終えた。12年ぶりの復帰。恩返しをする時が来た。

 「またカープのユニホームを着られるんだなと。今回はコーチというポジション。身の引き締まる思いです」

 現役引退後は本紙評論家として活躍し、16年からは阪神で2軍投手コーチなどを歴任。及川らを育てて1軍へ送り出した。

 1軍コーチは初めて。勝利だけが求められる戦いが待つ。それでも「タイガースの2軍は勝つことも大事だった。投手のやりくりとか、頭をフル回転させた。それを生かせれば」と力を込めた。

 4年ぶりのリーグ制覇を狙う来季は、投手陣の奮起が欠かせない。今季のチーム防御率はリーグ5位の3・81。先発陣も同3・99だった。数字を改善して結果を出し続けるために、先発が降板するタイミングで“建さんカラー”を打ち出す。

 「長い回を投げる投手がいると助かるけど、自分自身がそうだったように(球数が増え過ぎると次回は)失速する場合がある。チームとして戦う上では考えるべきかなと」

 自身が現役時代、試合で140球近くを投げた後、状態が戻らず苦しんだ時期があった。苦い記憶から、長いシーズンではパフォーマンスを維持することが重要だと痛感した。

 今季は投手によって異なるが、先発を引っ張る試合があった。「良かったとしても代えたい」。当初、定めた球数や投球回などに到達すれば、内容が良くても次回に備えて降板させる計画だ。

左腕の育成へ

 今秋ドラフトでは1位・黒原(関学大)、2位・森(三菱重工West)と左腕を上位指名。チーム内には床田、玉村ら有望な左腕も多い。

 「建さん」の愛称で親しまれた通算70勝左腕には、サウスポー育成への期待もかかる。「常にコミュニケーションをとって、後押しできるように」。現役時代は先発、中継ぎで日米通算487試合に登板。経験を古巣に還元し、投手王国再建に全力を尽くす。

 ◆高橋 建(たかはし・けん)1969年4月16日生まれ、52歳。神奈川県出身。現役時代は左投げ左打ちの投手。横浜から拓大、トヨタ自動車を経て、94年度ドラフト4位で広島入団。2009年にFAでメッツ移籍。10年に広島復帰後、同年現役引退。日本通算成績は459試合70勝92敗5セーブ23ホールド、防御率4・33。16年から阪神2軍投手コーチ。21年は2軍育成コーチを務めた。

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