鯉の底力!ラッキー7に7得点 逆転CS残った 佐々岡監督も興奮「本当に粘り強い」

 7回、中前打を放ち、中堅手・塩見が後逸の間に生還する宇草
 7回、右翼線に勝ち越し打を放つ坂倉
 7回、左前適時打を放つ菊池涼 
3枚

 「ヤクルト7-11広島」(21日、神宮球場)

 運も味方に付け、望みをつないだ!広島は打者一巡の猛攻で一挙7点を奪って逆転勝利を飾った。3点を追う七回、無死一、二塁から宇草の中前打をヤクルト・塩見がまさかの後逸。走者に続き打者の宇草も生還して同点とすると、さらに3本の適時打で突き放した。負ければCS進出の可能性が消滅する戦いは続くが、この逆転劇の勢いでAクラス入りへ突き進む。

 神宮に“神風”が吹いた。崖っぷちの状況が一転。球場全体がざわめく中、ベンチと三塁側を埋める広島ファンは、お祭り騒ぎの盛り上がりとなった逆転劇。試合後の佐々岡監督も「この試合に懸けるというか、最後まであきらめない姿勢が出ていた」と興奮を抑えきれなかった。攻撃陣が奮闘し、全員で逆転CSへの望みをつないだ。

 勝利の女神が振り向いたのは3点を追う七回。先頭の会沢が右前打、続く代打・長野が四球を選んで無死一、二塁の好機が訪れた。打席に1番・宇草。反撃の機運が高まる中、田口の3球目を中前に運んだ。

 満塁か、それとも適時打か-。誰もがそう思った瞬間に、ヤクルトの中堅・塩見がまさかの後逸。無人のフェンスに向かって打球が転々とする中、2人の走者に続き、宇草は猛スピードで一気に本塁へ生還した。(記録は中前打と失策)。試合を振り出しに戻したラッキーな一打に、宇草は「あんなに(ダイヤモンドを)全力で一周したことはない」と苦笑いを浮かべつつ汗を拭った。

 これで勢いは加速した。同点となり、なおも1死一、三塁から坂倉が勝ち越しの右前打。打った瞬間に右拳を握ったしぐさに、本人の思いが凝縮されていた。さらに菊池涼が左前適時打を放つと、2死一、二塁でこの回2度目の打席を迎えた会沢が右越えに2点適時二塁打。指揮官は「相手の失策もあったが、それにつけ込んで。本当に粘り強かった」と全員をたたえた。

 まさに“ラッキー7”で、ベテランと若手が融合した猛攻。先発したエース・大瀬良が四回途中でKOされた中、ナインは燃えた。チーム全体の思いを、決勝打の坂倉が代弁する。「多分、みんな一回“シュン”となったと思うけど一人一人が『勝つんだ』という気持ちを持ってやった結果だと思う」。投手が崩れれば野手が助ける。理想的なチームの構図で、首位・ヤクルトを相手に一矢を報いた。

 負ければ3年連続のBクラスが確定した一方、執念でCS進出の可能性を残した。22日からも、一つも負けられない状況は続く。「一戦一戦、集中して」と佐々岡監督。まだ、土俵を割るつもりはない。

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