広島・クロン 代打で天敵・秋山撃ち 3連敗も鯉の季節5月へ反撃のろし

 「阪神4-2広島」(30日、甲子園球場)

 広島のケビン・クロン内野手(28)が3号ソロを放ち、敗戦の中でも7連敗となった阪神・秋山に一矢報いた。ただチーム全体では天敵を攻略できず、今季最長タイとなる3連敗。借金は2に膨らんだが、5月反攻に向け、助っ人の一撃は価値ある一打となったはずだ。

 快音を響かせた打球は誰もいない左翼席中段へと突き刺さった。さっそうとダイヤモンドを一周したクロンはナインとタッチを交わして表情を緩めた。代打で放った3号ソロに「ピンチヒッターは難しい仕事だったが、ずっと試合を見ていた。一球に集中して、何か高めの球に絞っていって打とうと思った」と振り返った。

 出番は4点を追う八回1死。カウント0-1から秋山の投じた外角高めに浮いた112キロカーブを見逃さず、力強く振り抜いた。25日・巨人戦以来、4試合ぶりとなるアーチに「真っすぐに絞ってタイミングを取りながらその中で変化球に対応するのが自分のスタイル。リズムが悪くて真っすぐに差し込まれることもあったが、甘いカーブを捉えられたのは良かった」と手応えを口にする。

 ただ打線全体を見れば阪神・秋山に対し“三度目の正直”とはならなかった。4月1日は7回2失点、15日は7回無失点と完璧に抑えられていた右腕をまたしても攻略できず。序盤から凡打の山を積み重ね、六回1死一、三塁の好機も、3番・鈴木誠が遊ゴロ併殺打に倒れた。

 昨季も6試合で0勝4敗、防御率1・45と苦手にしていた相手。これで2年越しの7連敗となったが、クロンが一発を放った後、田中広、菊池涼の連打で1死二、三塁の好機を作り、マウンドから引きずり降ろした。次回対戦時につながるだけの“意地”は示した。

 今季最長タイとなる3連敗で、4月は13勝15敗2分けの借金2。佐々岡監督は「乗っていけそうで乗っていけなかった。切り替えてまた頑張ります」と5月反攻へ必死に言葉を紡いだ。

 今ではチームに溶け込み、日本球界にもすっかりとなじんだクロン。上半身のコンディション不良によって戦線離脱したこともあったが、今後は長打を量産してくれるはずだ。「4月で(勝率)5割到達はできなかったが、チームに勝ちを付けられるように、貢献していきたい。上位に食い込んでいけるように、チーム一丸となって戦っていきたい」-。闘志を燃やすナイスガイが鯉のぼりの季節にチームを浮上させる。

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