広島・中村奨成4年目でプロ初安打!昇格即スタメン「第一歩が踏み出せたのかな」

 「中日3-7広島」(16日、バンテリンドーム)

 待ちに待った1本が出た!広島の中村奨成捕手(21)がプロ初のスタメン出場を果たし、通算7打席目で待望のプロ初安打を記録した。広陵では17年夏に甲子園に出場し、1大会6本塁打の新記録を樹立した甲子園のスターがプロ4年目でついに野球人生の第一歩を踏み出した。なお、チームは打線が奮起し、連敗を3で止めた。

 待ちに待った瞬間がついに訪れた。二塁塁上ではにかんだ表情を浮かべた中村奨は控えめに両拳を握って喜びを表現した。通算7打席目でようやく生まれたプロ初安打。決してここまでは平たんな道のりではなかった。それだけに、自然とうれしさがこみ上げる。「何とか一本打てて良かった」と表情が緩んだ。

 今季初の1軍昇格を果たすと即「2番・左翼」でプロ初スタメン。第2打席で四球を選んでプロ初出塁。鈴木誠の3ランでプロ初得点も記録した。そして迎えた五回の第3打席だった。

 「ちょっと“持っているな”と思った。あれが捕られていたら、ヒットもなかった」。フルカウントからの6球目を一塁ファウルゾーンに打ち上げるもマルティネスが目測を誤って捕球できず。運も味方した。打ち直しの7球目。内角高めを振り抜き、左翼線へ二塁打を放った。六回に途中交代するも見事に起用に応えた。

 苦しんだプロ3年間だった。広陵では17年夏に甲子園に出場。清原和博(PL学園)が1985年に記録した1大会5本塁打を抜き、6本塁打の新記録を樹立。チームを準優勝に導き、一躍甲子園のスターとして注目を浴び、鳴り物入りで地元の広島に入団した。周囲の期待を一身に背負いながらも、3年間で1軍出場はわずか4試合。順風満帆ではなかった。

 今季は背水の陣で挑む4年目だ。本職の捕手だけでなく、出場機会増加を狙って三塁や外野にも挑戦。「捕手としてのプライドを持ちながら、他のところもしっかりやって、チャンスをもらえるように頑張りたい」と意気込んでいる。

 記念球については「ずっと支えてくれた家族にプレゼントしたい。ここまで野球をやらせてもらったのは家族のおかげ。打てなかったときは前を向いてやるしかないよと言ってもらい、それが支えになっていた」と家族にプレゼントする。「やっとプロとしての第一歩が踏み出せたかな」。かつての甲子園の申し子。プロ野球人生はまだ始まったばかりだ。

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