広島・野村 復活0封「感謝の気持ちを持って」手術から第一歩 右鎖骨下静脈血栓除去

 中日打線を相手に力投する先発の野村(撮影・立川洋一郎)
 6回、平田から三振を奪い雄たけびを上げる
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 「広島0-0中日」(28日、マツダスタジアム)

 広島は決め手を欠いて中日に引き分け、開幕カードを1勝1敗1分けで終えた。収穫は先発した野村祐輔投手(31)。昨年10月15日の巨人戦(東京ドーム)以来の1軍公式戦マウンドで、6回3安打無失点と好投した。昨秋に右鎖骨下静脈血栓除去手術を受け、完全復活を目指す今季。頼れる右腕は、チームのために腕を振っていく。

 1時間の試合開始遅延も、降り注ぐ雨も、野村には全く関係なかった。公式戦のマウンドは、昨年10月15日・巨人戦(東京ドーム)以来。「野球ができることもそうですし、感謝の気持ちを持ってマウンドに上がりました」。周囲への恩返しを誓い、テンポ良く腕を振っていく。6回3安打無失点と、上々の復帰登板を果たした。

 当初より約1時間遅れ、午後2時35分にプレーボール。雨粒がユニホームをぬらしても「(開始)時間はだいたい言われていたので、やりやすかった」と意に介さない。「ストライク先行でいけたのが良かった」と話すように打者23人中、初球ストライクは14人。常に主導権を握ってアウトを積み上げた。

 投手としての本能をのぞかせたのは、六回だ。安打と犠打などで2死二塁のピンチを背負った場面。4番・ビシエドを申告敬遠で歩かせ、前の打席で左翼に二塁打を浴びていた平田との勝負を選択した。「勝負したかったので。打たれていましたし」。3球で1ボール2ストライクと追い込み、最後はカットボール。外角ボール気味に投げ込み、ハーフスイングを誘って空振り三振に斬った。

 昨年はシーズン途中の7月に1軍昇格し、6勝を挙げた。だが10月15日の巨人戦で2回1安打1失点、33球を投げたところで緊急降板。翌日に右鎖骨下静脈血栓除去手術を受け、リハビリの日々が続いた。

 「色んな人に助けてもらいました。緊張はしましたが、ここ(1軍)で投げるために一生懸命リハビリとかをやっていたので」。自身にとっての“開幕戦”が復帰登板。白星はつかめなかったが、確かな手応えを刻んだ。

 佐々岡監督も「祐輔らしいピッチングで試合をつくってくれた」と賛辞を贈った。この日を合わせ、通算186登板。かつて広島とロッテで活躍したネイサン・ミンチーの持つ、デビューからの連続先発登板のプロ野球記録187に次回登板で並ぶ。「並ぶというのはうれしいですけど、一つ一つ(登板を)積み重ねていきたい」と野村。頼もしい背番号19が、力強い一歩を踏み出した。

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