広島・奨成1軍キャンプ切符つかむ 捕手残り2枠…視察の佐々岡監督に猛アピール

 広島の中村奨成捕手(21)が20日、「みやざきフェニックス・リーグ」を視察する佐々岡監督の前でアピールし、1軍春季キャンプの切符をつかみ取る事を誓った。例年なら同キャンプの1軍帯同捕手は4人。前日19日の巨人戦で今リーグ1号ソロを放つなど、走攻守で存在感を示した若鯉。指揮官が視察予定の21日から、さらなる内容と結果を残してメンバー入りを果たしてみせる。

 室内練習場に打球音が響いていた。素振りやマシン打撃を黙々とこなしていたのは、中村奨だった。約1時間の休日返上練習。その顔には、大粒の汗がにじんでいた。

 「1日でも体を動かさないと気持ちが悪い。バットを短く持ってみたり右方向に打ってみたり。今、できる限りの事をやっておこう思ったんです」

 強い危機感を持って臨む秋だ。今季は3年目で初めて1軍昇格するなど、2度出場選手登録された。それでもプロ初安打はなし。1軍デビューした大盛、正随、羽月、林、宇草が記念打を放ちながら、自身は4試合で4打数無安打に終わった。「めちゃくちゃ悔しかった」。7月までウエスタンで打率3割超え。好調な打撃を買われたが、はね返された。

 「甘い球を1球で仕留めないと次はない」。2軍降格後は上半身に頼る打撃から脱却するため、下半身をこれまで以上に意識してスイング。投手に応じて踏み出す左足の幅を変えるなど対応力を磨いてきた。動画サイトで会沢や鈴木誠、巨人・坂本のスイングを見て研究する事もある。

 前日19日の巨人戦では左翼フェンスを越え、後方の樹木にぶち当てる特大弾を放った。「良い入り方ができた」。捉えたのは1ボールからストライクを取りにきた2球目。ファーストストライクを確実に仕留められたのは次につながる。

 21日から佐々岡監督が視察に訪れる。秋季キャンプがないだけに、今リーグでのプレーが来春キャンプメンバー選考の判断材料になる。例年、捕手は4人が帯同する。正捕手の会沢と坂倉を除けば残りは2枠だ。

 「アピールしないと1軍のキャンプはない。1軍にいるときは守備を見てもらえる機会がなかったので、見てもらいたいです」

 前日の巨人戦では、鈴木寛の変化球を体で止め、素早い送球で二進を阻止した。課題とする送球時の球の握り替えに改善が見られ、視野を広げ、落ち着いたリードもできはじめた。現在の立場を「本当に土俵際」と言う。指揮官の前で持てる力の全てをグラウンドで出し切ってみせる。

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