カープ九里、初の規定投球回を達成 6試合連続QS成功の大安定感
「広島2-2巨人」(3日、マツダスタジアム)
広島・九里亜蓮投手(29)がベンチから身を乗り出し右拳を突き上げた。0-2の九回2死一塁。菊池涼が右越え2ランを放った直後だ。自身の黒星が消え、試合が振り出しに戻った。9回8安打2失点の力投が報われた瞬間だった。
ボールが先行し、四回は丸に先制の適時二塁打を浴びた。それでも今の右腕には粘り強さがある。6試合連続でクオリティースタート(先発投手が6回以上を投げ自責点3以下)を達成。要所を締め味方の反撃を待った。
「自分の中で一つのノルマだった」。初の2桁勝利に王手を掛ける1勝こそつかめなかったものの、プロ7年目で初めて規定投球回をクリアした。K・ジョンソンが不調で2軍再調整を余儀なくされ、大瀬良や野村は故障で離脱した。苦しい先発事情の中、ローテを守り続けた証だ。
開幕前、調整登板した教育リーグで四回途中5安打7四球3失点でKO。2軍降格を告げられた瞬間がターニングポイントだ。「このままではいけない」。投球を反省し、自らを見つめ直し誓った再起。家族の後押しや息子の笑顔にも励まされ、前へ進んできた。
「1年だけではダメ。しっかりと続けていけるように」と向上心をのぞかせた。来年、30歳を迎える右腕。節目の年を、先発の中心としてチームをV奪回へと導く。


