広島・野村 雪辱の6勝目チームトップタイ「100以上投げた」五回で降板反省
「広島4-1巨人」(30日、マツダスタジアム)
鈴木誠のバットが白球をはじき返した瞬間、広島・野村はベンチで喜びを爆発させた。要所を締めたことが、チームトップタイの6勝目を呼び込んだ。「毎回走者を出したけど粘り強く投げられた」。冷静に右腕を振り抜き、持ち味を発揮した。
深呼吸して大きな山を乗り越えた。連打で無死一、二塁とされた四回は丸、中島、ウレーニャを打ち取った。
五回は先頭・田口への四球から2死二、三塁となって岡本との勝負だ。失投が致命傷となる場面で気後れせず内角へツーシーム。詰まらせての中飛だ。今季初対戦だった9月23日は3回7安打4失点でKO。5回4安打無失点のリベンジに「前回負けている。勝てるようにと思ってマウンドに上がった」。強い思いで臨んだ一戦だった。
「真っすぐ走るだけより、いろんな動きをするといろんなところがバランスよく動かないといけない」。今年からダッシュの種類を増やした。全身のバランスを整えるのが狙いだ。目指すのは動きの無駄を省き、極限までシンプルなフォーム。剛速球はなくても、技術で打者を抑える道を突き進んでいる。
6勝目にも5回での交代を次回の課題とした。「5回で100以上投げた。(救援陣に)申し訳ない」。プロ入り以来、先発一筋。最後までマウンドに立ち続けることも目標だ。


