誠也よ打ってくれ…カープ借金ワースト9 2戦連続無安打で打率3割切った

 「阪神3-1広島」(12日、甲子園球場)

 広島は投打が奮わず阪神に2連敗を喫し、借金は今季ワーストタイの9となった。打線は2試合でわずか1得点と、沈黙状態。特に気掛かりなのは主砲の鈴木誠也外野手(26)。2試合連続無安打で打率はついに3割を切った。停滞ムードを払しょくするのが4番の務め。チームをけん引してきた背番号1の、一日も早い復調が待たれる。

 鈍い打球音が何度も銀傘に跳ね返る。走者を出しても好機の芽をつぶした赤ヘル打線。意気揚々とベンチに戻る阪神ナインとは対照的に、鯉戦士たちが視線を落とす。昼下がりの敵地で、鯉が虎の軍門に下った。

 前日は“天敵”の西勇に完封勝利を献上。この日も秋山をスイスイと泳がせた。三回2死から遠藤がチーム初安打を放つも、ピレラが中飛。連打はなし。点が線となり、束となって相手に襲いかかれない敗戦に、もどかしさが募る。

 貧打にあえぐ現状に佐々岡監督が苦虫をかみつぶす。「きのうといい、きょうといい(相手の)術中にハマっているというか…。いろいろ策を練ってはいるんだけど、つながらない」。八回は無死一、二塁と、この試合最大の好機でピレラが二ゴロ併殺。菊池涼が中前適時打を放つも、完封負けを阻止するのが精いっぱいだった。

 これで秋山には今季5試合で0勝3敗。球速以上にキレのある直球を捉え切れず、手玉に取られた。打者27人中、21人が初球ストライクで終始優位に立たれた。打線は水もの。勝負の世界に通じるフレーズではあるが、中でも少し心配なのが鈴木誠の不振だ。

 四回1死一塁で迎えた第2打席。突破口を切り開く打撃が期待されたが、当たり損ないのような二ゴロに倒れた。六回2死一塁では、一度もバットを振ることなく最後は外角直球に見逃し三振。打撃の歯車にズレが生じているようにも映った。

 指揮官は「打撃練習からいろいろ考えてやっているのは見えるんだけど、それが試合でなかなか結果につながってこないという感じかな」と悩める主砲を気遣った。先頭で迎えた九回もスアレスの155キロに力負けして右飛。2試合連続無安打で、打率は・296とついに3割を切った。

 特に9月は打率・214と元気がない。佐々岡監督は「(気持ちの面で焦りが)あるんじゃないかな。4番としての責任感を感じているだろうし、責任感が人一倍強い選手だから」と現状打破を強く願った。風向きを変えられるからこそ、主砲に座っている。低迷するチームを変える特効薬。それは背番号1のバットに他ならない。

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