佐々岡監督×安仁屋宗八氏新春対談【2】森下開幕1軍期待!岡田はリリーフ
広島・佐々岡真司新監督(52)と、カープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(75)が新春初対談を行った。リーグ4連覇が懸かった昨季はまさかのBクラスに沈み、今季はV奪回を目指すシーズン。新指揮官はリーグ優勝とともに自身初の日本一を誓い、安仁屋氏は53年ぶりとなる投手出身監督に大きな期待を寄せた。以下は対談その2。
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-秋季キャンプではブルペンに足を運ぶ時間が長かった。
佐々岡監督(以下、佐々岡)「1日の練習で8割ぐらいはブルペンにいたんじゃないかな(笑)。バッティングを見たり守備を見たりは2割ぐらい。ついつい足が向くのはブルペンの方という感じはしました」
安仁屋宗八氏(以下、安仁屋)「一昨年と比べて昨年はチーム防御率は良くなったけど、一岡、岡田、薮田ら成績が上がっていない投手も多かった」
佐々岡「優勝した一昨年は防御率4点台(4・12)で、昨年は3点台(3・68)になったといっても、失点と自責点は多いわけで。先発もそうですけど、ここぞというところで…。試合終盤にかけての逃げ切りというか、リリーフ陣の層の薄さというかね。中崎の不調、一岡の故障も痛かった。そこでフランスアを後ろに持っていくと、今度はセットアッパーの薄さが出たと思うんですよね。カープが目指している1点を守る野球、最少失点で逃げ切るという試合ができなかったという感じがします」
-オフにはDJ・ジョンソン、スコットと2人の新外国人の中継ぎ投手が加入した。
佐々岡「球団にリリーフ陣の強化をお願いして取ってもらった。2月には後ろで使えるかどうかを判断しないといけない。外国人は見てみないと分からないけど、期待する面は当然ある。2人が入ってくると、リリーフ陣の層は厚くなると思う。フランスアを含めて3人。フランスアも安泰じゃないよというところで競争してもらわないと」
安仁屋「個人的には、昨年未勝利に終わった岡田、そして4年目の矢崎というところが出てきてほしい」
佐々岡「僕が監督になってすぐ思ったのが岡田のリリーフ。短い1イニングを任せたいなとずっと思っていたので。昨年は先発として期待されながら、ああいう成績で終わったのでね。ちょっとリリーフとしてやってまた何かつかんでくれたらいいと思うし。僕も先発、リリーフをやってきて、調子を落とした時にリリーフに回ったこともある。岡田のいいところは三振が取れる、真っすぐで押せるというところ。あのボールを見たら、リリーフでやってくれないかなという期待はすごくあります」
安仁屋「先発は考えてない?」
佐々岡「考えてないですね。岡田にもリリーフでと言ってありますし」
安仁屋「なるほど。まあ、本人もはっきり言ってもらった方が気分的にも楽になる部分はあるだろう」
佐々岡「優勝した年も先発で2ケタ勝利を挙げた投手ではありますけどね。いい意味で今度は後ろ。先発がダメというわけじゃなくて、期待しての後ろなので、それを意気に感じてやってくれたらと思います」
安仁屋「ドラフト1位の森下は即戦力として考えているそうだね」
佐々岡「ビデオを見て、ドラフト前に即戦力の森下君がほしいと(松田)オーナーに伝えた。期待する面はすごくあるし、当然ながら開幕1軍で先発ローテーションに入ってくれるという気持ちはあります」
安仁屋「彼には新人王を目指して頑張ってもらいたいね。僕も1、2回、彼の投げている映像を見て、これは即戦力でいけるんじゃないかなという気はした。まず一番にコントロールがいいピッチャーだなあと思ったし、三振も取れるピッチャーという印象を受けた」
-佐々岡監督が入団した年は安仁屋さんは1軍コーチだった。
安仁屋「監督が入団した時はすごくスマートやった。今は体形が全く変わってしまったけど(笑)。入ってきてくれてすごく助けてもらった。それがすごく印象に残っている。スライダーが良かったし、ストレートも150キロぐらい出とったし。三振が取れたよね。それに輪をかけて3年目ぐらいからシュートのキレも良くなった。三振が取れるピッチャーはコーチをしていて楽だった。使い減りしないピッチャーだったから。そういうピッチャーをどんどん育ててほしい」
-捕手については。会沢を筆頭に磯村、坂倉、そしてベテラン石原もいる。
佐々岡「坂倉が秋のキャンプで打力で伸びてきている面があるので、何とか使えるというところにいってほしいなと。基本は会沢が中心になると思いますけど、坂倉には会沢を脅かすような存在になってほしい」(対談3に続く)





