広島・永川 引退会見「いい子、いい先輩たちに恵まれた最高のチーム」【一問一答】

 「広島4-3中日」(23日、マツダスタジアム)

 広島・永川勝浩投手(38)が試合前にマツダスタジアムで引退会見を行い、度重なるケガに悩まされた17年間を振り返った。

  ◇  ◇

 (自らあいさつ)

 「広島東洋カープで17年、野球をやってきましたけど今年で引退して区切りを付けたいと思います。応援ありがとうございました」

 -いつから引退を考えていたのか。

 「ここ数年はケガもありながら、いい成績を残せなかったですから、いろいろ考えることはありました」

 -きっかけは。

 「今年に入ってトレーニングをしても体がどこか痛くなったり、練習でいいパフォーマンスが出ても試合で出せなかった。そういうのを総合して心が折れたというところです」

 -これまで何度も逆境を跳ね返してきた。

 「若い子たちが頑張ってる中で、自分がそれと同等以上のボールを投げられなくなってきたり。体をいろいろ考えながら、限界を感じてしまいました」

 -周りの反応は。

 「家族には6月半ばぐらいに伝えましたけど、反応はそんなに大した感じではなかったので(笑)。『もういいんじゃない』という感じでしたから、僕自身もやりきった感じはあったので」

 -思い出は。

 「1年目から山本浩二監督にクローザーを任せていただいて、そういう道を作っていただいた。この17年間というのはそのスタートがあったからこそだと思うので、感謝していますし」

 -広島出身で広島のチームに入団した。

 「広島で生まれて、広島で育ってきましたので、広島東洋カープに誘っていただいた時は、ものすごくうれしいというか、また故郷に帰ってプレーできるのはすごく良いもの。そういう気持ちがあったので、広島には愛着がありますね」

 -165セーブを挙げた。ストッパーの難しさは。

 「僕の場合は何回も失敗を繰り返しながら、いろんな人に迷惑をかけながら助けられてやってきたので、クローザーに対しての難しさというのは感じなかったです」

 -野球への考え方に変化はあったか。

 「本当にいろいろ試行錯誤しながら、コーチ、トレーナー、時には後輩であったり。いろいろトライしてきましたけど、やっぱりプロの世界はそう簡単なものじゃないなというのは最後の方でつくづく感じました」

 -優勝、優勝旅行も経験した。

 「そうですね…、3連覇している中で、最初の2連覇の時はほぼ結果を出すことができず、昨年もそこまで出したとは言えないんですけど、最後に連れて行っていただいて、僕だけじゃなく家族がすごく喜んでいました」

 -チームメート、スタッフへの思いは。

 「一番最初のキャッチャー西山さんから始まって、いろいろなキャッチャーに受けていただいて。本当にコントロールの悪い、ベースの前にワンバウンドするようなフォークをみんな体を張って止めていただいて、一番受けてもらったのは石原さんですかね。体も含めて迷惑をかけたなと思います」

 -それでもフォークを投げ続けた思いは。

 「1年目からうちのキャッチャーはずーっと優秀なので。そういう意味では本当にランナー三塁でも思い切ってフォークを投げられる、キャッチャーがそろっていましたので。ありがたかったし、心強かったですね」

 -チームカラーが合っていた。

 「本当に最高のチーム。本当にいい子たち、いい先輩たちに恵まれたと思っています」

 -今後のチームメートへの思いは。

 「そうですね、1軍の方では今年は僕はあまり選手と接することはなかったですけど、やっぱり2軍の方でいろんな選手と接して、若いピッチャーが多いので、今を大事にもうちょっと…、今日は今日しかないと思いながら日々を過ごしてほしいと思いますし、これから先のピッチャー陣は彼らが引っ張っていかないといけないと思いますので、そういう意味では一日一日を無駄にせず、今を生きてほしいなと思います」

 -ファンへメッセージを。

 「このような大した技術もない選手をずーっと応援してきてくれた方が多かったので、最後まで僕を応援してくれた方々、昔の市民球場の時から叱咤(しった)激励していただいた方々に、すべての意味を込めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」

 -背番号20に対する思いは。

 「ものすごい番号をいただきました。1年目は投手コーチが北別府さんで、ものすごく感謝はありますし、20番をもう少しきれいな形で終わりたかったと思います。次にこの20番を付ける選手には北別府さんのような200勝できる投手、クローザーであれば球団記録を塗り替えられるような選手になってもらいたいと思います」

 (囲み取材に移り)

 「良かった、泣かんで」

 -積み重ねたセーブ数には。

 「それに関しては遠い昔の話みたいな。8年前ぐらいでストップしてると思うので。165がすごいかどうかは分からないですし、たまたま球団新記録であっただけで。これから抜く人はいっぱい出てくると思います」

 -先発の成績も背負う役割だった。

 「何試合消してきたか分からない。僕の失敗のせいでプロで1勝もできずに辞めた子もいます。黒田さんとかが投げてる時なんかも失敗もしてますし、佐々岡さんが投げられてるときもそうですし。黒田さんだったら200勝になんとかいってくれないと。199とかで終わられたら。そういうのも考えます」

 -同世代の中日・松坂の去就は不透明。

 「この年になったら毎年誰かが辞めるような年なので。今頑張ってる選手たちは心から尊敬できます。どこかで歯を食いしばって一生懸命やったから今があると思う。松坂選手は僕らからしたら神様みたいな存在。まだ自分でできると思うのであれば、僕らの先頭を切ってまだ何年もやってもらいたいと思います。同級生としては同年代をずっと応援していきたいなとは思います」

 -内転筋の故障以降の野球人生は。

 「今思えばそこで終わってたんだろうなと思ってます。結局そこが最後まで払しょくできずにここまできたので。そこも受け止めて最後、あれがあったから頑張れたかもしれないですけどね。そう受け止めてます」

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