広島に長野!丸の人的補償で大物「選んでいただけたこと選手冥利につきます」

 広島は7日、巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(29)の人的補償として、長野久義外野手(34)を獲得したと発表した。プロ9年間で首位打者、最多安打のタイトルに輝き、新人王、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得するなど実績は十分。リーグ優勝、日本一の経験もあり、球団は打線の中軸、さらに“V4の使者”として期待を寄せた。

 悲願の日本一へ、カープが驚きの決断を下した。FA移籍した丸の人的補償として、生え抜きの主力である長野の獲得を発表。今年35歳を迎え、年俸2億2000万円。さらにFA権も保有しているが、リーグ4連覇を狙う上で必要不可欠な戦力と判断した。

 当初はチームの課題である左投手が候補に挙がったというが、鈴木球団本部長は「いろんなことを精査して、野手、ピッチャーを含めて一番いい選手」と高く評価。松田オーナーも「うちとしては4連覇と日本一を考えないといけない」と並々ならぬ決意を示し、「野手の育成が間に合っていない部分がある」と現実も直視した。

 長野がプロ9年間で積み上げた実績は申し分ない。首位打者、最多安打のタイトルに輝き、新人王や、それぞれ3度のベストナイン、ゴールデングラブ賞も獲得。さらにリーグ優勝3回、2012年には日本一を達成するなど経験も豊富だ。

 人柄も買った。松田オーナーは数年前、球団関係者の結婚式で長野と会話したことを明かし「好青年で誠実そうだった」と高評価。昨季は116試合に出場し、打率・290、13本塁打、52打点。過去の対戦も思い返し、「プレーでも痛い目にあってきた。個人的には、3番を打てると思っている」と続けた。

 ロサンゼルスで自主トレ中の長野のコメントからも人柄の良さが伝わってくる。巨人の球団広報を通して「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利(みょうり)につきます。自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるよう、精いっぱい頑張ります」と力強く決意表明した。

 それを聞いた松田オーナーは「それは良かった」と一安心。長野はプロ入り前に2度、他球団からドラフト指名されながら入団を拒否した経緯がある。自身が切望しての巨人入団だっただけに「ちょっとかわいそうだった。そこは悩んだ」と“親心”ものぞかせた。

 新井の現役引退、丸のFA流出…。激動のオフがようやく終結の時を迎えた。悲しみに暮れた広島の街に、頼もしい日本一の使者がやって来る。

  ◇  ◇

 長野コメント全文

 「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利につきます。自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張ります。巨人では最高のチームメイトに恵まれ、球団スタッフ、フロントのみなさんの支えのおかげでここまで頑張ることができました。また9年間応援してくださったジャイアンツファンの皆さまのおかげで苦しいことも乗り越えることができました。ありがとうございました。ジャイアンツと対戦することを楽しみにしています」

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