菊池V3ラン “お兄ちゃん”新井に続いた!ベンチで熱い抱擁
「セCSファイナルS・第2戦、広島4-1巨人」(18日、マツダスタジアム)
熱気冷めやらぬムードの中でベンチの思い、スタンドの思い、全てをバットに乗せた。グングンと伸びた打球が左中間席へと飛び込む。広島・菊池涼介内野手(28)がCS自身初本塁打となる値千金の勝ち越しV弾。着弾を確認すると右手を突き上げ、ベンチに戻ると新井と強く抱き合い格別な瞬間を分かち合った。
「新井さんの一打でベンチもファンも一体感が出た。声援で打たせてもらった」
ベテランが作った流れに乗らないわけにはいかなかった。代打・新井の同点打から田中は四球を選び八回2死一、二塁。「お兄ちゃんが打ったので、弟も打たないといけないというプレッシャーの中で打席に入った」と畠の低めカットボールを捉えた。普段から兄と慕う背番号25が今季限りで引退するだけに「記憶に残るシーズンにしたい」という思いは強い。
短期決戦へ熱い闘志もあった。「(レギュラー)シーズンで苦しんだからCS、その先で印象を与えたい思いがある」。そう話すように今季打率・233で終えた。CSまでの調整期間は練習前から自主的にバットを振り込み「自信を持ってやれた」と臨んだ大一番の一発につなげた。
緒方監督は「まさかホームランを打つと思わないし、すごい集中力を見せてくれるよね」と惜しみなく賛辞を贈った。日本シリーズの切符まであと1つ。「新井さんと長くやりたいのはみんな思っている。今日は今日、明日は明日。仕切り直してストレートで決めたい」と菊池。一切の隙を見せず、無敗でCS突破を決める。