丸 勝利もたらすリーグ単独トップの39号弾 球団史を塗り替える40発に王手
「広島1-0阪神」(2日、マツダスタジアム)
広島の丸佳浩外野手(29)が本塁打王争いで単独トップに立つ39号ソロを放った。0-0の六回2死から、岩田のツーシームをバックスクリーン左へ突き刺した。球団日本選手の左打者では初となる40号到達に王手をかけた。球団史を塗り替える瞬間はもう間もなくだ。
拍手喝采を独り占めにした。六回2死。丸が均衡を破る39号ソロを放ってみせた。「センター方向を意識し、しっかりと自分のスイングができた」。チームメートやファンは総立ちでヒーローを出迎える。本塁打争いで単独トップに立つ一撃は、勝利をもたらす決勝弾になった。
カウント2-2から低めのツーシームを捉えた。迷いなく振り抜き、はじき返された力強い打球は、一直線でバックスクリーン左へ突き刺さった。昨季は左投手から放った本塁打は1本だったが、今季はこれで16本目。大幅増に「しっかりとピッチャーに入っていけている」と力を込めた。
自身が打席を迎える六回2死まで、チームは岩田の前に無安打無得点。「真っすぐと変化球を投げ分けられていた」。この回の攻撃前にベンチ前で円陣が組まれ、指示を受けた。「まずは強いスイングを心掛け、振れる球は振っていこうと言われた」。シンプルな助言。自らのバットで体現した。
今季は通算1000安打を達成。自分史を塗り替えたシーズンは、球団史を更新する1年にもなりそうだ。40号に到達すれば球団では13年ぶり5人目。左打者では78年のギャレット以来、40年ぶり2人目となる。さらに日本選手に限れば球団史上初めてだ。
大台に王手をかけても「打てるに越したことはない。でも、あくまでも良い場面でランナーをかえすのが仕事なので」。サラリと言ってのけた姿が頼もしかった。
17日からはCSファイナルSに臨む。短期決戦では我慢比べのロースコアも予想される。「競った展開、締まった展開では、チームとして良いプレーをして勝ちにつなげていきたい」。昨季と同じ悔しい思いはしたくない。
この日はフェースガードが付いたヘルメットを初めてかぶった。「気分ですね」と、自然体は変わらない。日本一を目指すチームには、頼もしき背番号「9」がいる。



