新井、復活の「100%」ダッシュ 9連戦中1軍昇格「あるかも」
「ウエスタン、オリックス2-8広島」(1日、大阪シティ信用金庫スタジアム)
左ふくらはぎ痛のため14年ぶりに開幕を2軍で迎えた広島・新井貴浩内野手(41)が1日、ウエスタン・オリックス戦で実戦復帰した。「5番・一塁」でスタメン出場。1打数無安打1四球で、四回の打席で代打を送られ交代した。安打こそ出なかったが、全力でダッシュするなど万全。1軍復帰を視界に捉えた。
元気な新井がグラウンドに帰ってきた。痛めていた左ふくらはぎをかばうことなく、歯を食いしばって黒土を蹴る。「痛みも不安もない。100%でやった実戦の中で、突発的な動きも良かった」。ブレーキをかけないプレーは3月17日・楽天戦(静岡)以来。実戦復帰を納得のいく形で終え、表情を崩した。
万全の状態を証明したのは三回の走塁だ。2死から四球で出塁すると小窪が打ち上げた瞬間、ギアを上げた。トップスピードに乗り二塁を蹴って三塁へ。結果は二飛だったが「いつも通り」と全力で次の塁を狙った。サラリと言ってのけたプレーを実践できることが、順調な回復ぶりを物語っていた。
第1打席は右飛。当初は2打席終了時で交代する予定だった。走塁面を確認したいという本人の希望により、水本2軍監督は代走を送らなかった。一塁守備では打球をさばく機会はなかったものの送球を無難に処理。指揮官は「動き?良かった」と目尻を下げた。
アクシデントは3月21日の練習中に起こった。ダッシュ時に痛みを訴え翌22日に広島市内の病院で検査。「左腓(ひ)腹筋損傷」と診断された。節目のプロ20年目は04年以来、14年ぶり2度目となる開幕2軍で迎えた。
リーグ3連覇を目指す上で欠かせない存在だ。精神的支柱であり、勝負強さは誰もが認めるところ。「9連戦中の1軍?あるかもしれない。状態が上がれば」と高ヘッドコーチ。ベテランの復帰に胸をなで下ろした。
首位をガッチリ守ったが、丸は右太もも裏を痛め、野村は背中の張りで出場選手登録を抹消されている。「みんなでカバーし合っていかないといけない。自分も早くチームの力になりたい気持ち」。新井は前を向いて言葉をつむいだ。鯉の季節を迎え、背番号「25」が帰って来る。




